2020年11月19日

イベントを変えず、意味を変えるリライト

起こる事件やイベント、
重要な場面のビジュアルや小道具などを、
一切変えなくても、リライトはできるものだ。
台詞を変えていくことで、である。


実際、たくさん組んだイベントやビジュアルや段取りを、
変えてリライトしていくことはあるかと思われる。
全然順番などもシャッフルしてしまう、
構造ごと変更していく大工事はまれによくあるものだ。

しかし、それをしなくていいリライトというものもある。
時系列も同じ、
シーンも同じ、
起こることも同じで、
まったく違う話(改良された話)にすることも可能である。

どういうことかというと、
「それをその人物たちが、
どのように認識しているか」を変更すればいいのだ。

たとえば、
「宇宙人が侵略してくる」という話だとしても、
それが「敵が攻めてきた」という第一稿から、
「人類を越える上位者が迎えに来た」
という場面に読み替えることは、
全然可能だと思う。

敵だと認識する場面で、
違うことを言うようにすればいいだけのことだ。

仮にユーフォーからビームが発射されて惨殺される場面だったとしても、
うわああ敵だああと逃げる台詞から、
「進化していない愚かな人間たちが粛清された」
という台詞に変えて、
崇拝の場面に書き換えることは簡単なはずだ。

つまり、
同じ場面を見ても、
解釈や意味を変えることは、
台詞をいじることで可能になるということだ。

つまりは、モンタージュ効果である。
同じ絵でも意味が変われば変わる。

意味を変えるのは、
「それを登場人物たちが、どのような意味合いで見ているのか」
なのだ。

それはもちろん仕草などで示してもいいが、
簡単なのは台詞だ。
「俺、あれをこう思うんだ」
と説明してしまえば、
もうそういう風に信じ込んだ人になってしまうよ。

もちろん、きちがいを演出することにも使えるし、
普通の話でも使えるわけだ。

ある場面の段取りやビジュアルを変えずして、
台詞を変えるだけでまったく違う解釈をしているように改変することは、
簡単にできるぞ。

極端に逆にすることもあるし、
微妙に変える方法もある。

そうすることで、
労力をかけずに、よりよいリライト版をつくることが可能になるということは、
覚えておくといいだろう。

その人物は、目の前で起こったことを、
どのように思っているのか?
それを変えるだけで、
まったく違う話をつくれるぞ。

これはわりと上級者的なテクニックだと思う。
モンタージュをわかっている人だけが、
使いこなせるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 00:14| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。