リニアスイッチで僕はずっと色々やってきたので、
まとめておく。
タクタイルとクリッキーはよく分からない。
【初動の疲労度】
軽いバネ レスポンスが速い、疲れない
重いバネ レスポンスが遅い、高級に感じる、疲れる
【底打ちの疲労度】
軽いバネ 底打ちの衝撃が大きく、手を痛める
重いバネ 適度にカツンと跳ね返り、心地よい
というトレードオフの関係がある。
軽いと初動が楽だが底打ちで手が痛くなる、
重いと底打ちはいいが始動が疲れる、
から、間を探す必要がある。
で、「初動は軽く、底打ちが重くなればいいのでは?」
にたどり着く。
やり方はいろいろあって、
・プログレッシブスプリング(片側がミッドが薄く、
もう一方が密度が濃くなっているバネ)を使う
・半分に切ったMXバネの中に細いchocバネを入れた、
ダブルスプリング(初動choc、後半2本のスプリング)
・ボトムハウジングの中敷きにシリコンシート
・ボトムハウジングのステム穴の中にEVA+シリコンシート(涅槃)
などが僕が研究してきたものだ。
プログレッシブでいいやつが見つかると嬉しいが、
なかなか理想の始動と底打ちの組み合わせがないので難しい。
15:70くらいから35:70くらいが欲しい…
また、中間部に「コシ」のようなものがあり、
そこが好みの分かれるところ。
リニアのストンとした落ち方のほうが僕は潔くて好き。
また、バネは、
指の力によって変えた方がいいことがわかっている。(変荷重)
経験的に、
中指>人差し指≒親指>薬指>小指
だけど、
親指は「抑え続けるキー(修飾キー)」が多いので、
僕は小指より軽くしている。
あと興味深いのは、
【軸の安定性】
軽いバネ ブレてるように感じる
重いバネ 安定してるように感じる
という錯覚のようなものだ。
高級スイッチが軒並み60g前後のバネを採用していることから分かるように、
軸安定性を感じるのは、重いバネのほうが効果があるようだ。
また、トラベリングディスタンス(ストローク)とも関係していて、
【軸の安定性】
短い ブレてるように感じる(スピードスイッチ系)
長い 安定性を感じる
ような気がする。
つまり、「軸安定性」というファクターは、
重いバネで、ゆっくりと、深く押した時に、
より感じやすいことが分かっている。
だから、「軸の安定性」が評価されるスイッチは、
軒並みストローク4mm、バネ60g〜67gあたりに集中しているよね。
とくに撫で打ちは、
横の成分が垂直成分より多いので、
初動で擦るように打つから、
軸はブレる。
それを深く打つうちに軸安定性を感じてくるのだろう。
僕のように、軽いバネで、
かつスピードスイッチ、という派閥は、
軸安定性の恩恵を受けづらいわけだ。
で、最近わかったもう一つの錯覚。
「FJだけバネを重くして軸安定性を感じるようにすると、
他のキーもそう感じる」こと。
人差し指は僕はオール30gで使っていたが、
FJだけ60gにすると、その感覚が強くなった。
流石に重くて疲れたので、
55、50を試し、今45で運用中。
ちなみに今のスイッチはすべて涅槃イエロー
(EVA+シリコンで改造してもろもろ整えたもの。
過去記事参照)で、
25 25 35 30 30
25 25 35P45 30
20 25 60 30 30
15
(左手)
で運用している。
35Pはプログレッシブで、35:64の72Pというやつ。
で、面白いのは、FJが安定すると、
「タイピングの正確性が上がる」こと。
これは数値的確証はなく、主観的な実感レベルだけど。
おそらく軸安定性を感じる錯覚により、
他の指も正確に打っている感覚になるのでは、
と考えている。
バネは、打鍵感を決める第一のファクターだ。
あまり言及されていないのがもどかしい。
ハウジングなんてガワですよ。
バネこそがキースイッチの心臓なのです。
あと面白いのは、
バネの軽さ重さに関わらず、
「キーキャップが重くなると、打鍵感が高級になる」
ことが知られている。
厚めのPBT、サドルプロファイルのようなコロッとしたキートップ、
あるいは美濃焼ーキャップのような物理的に重いキーキャップは、
打鍵感を高級にする。
物理的に重いことで、dz/dtが小さいのかも知れない。
で、それあたりの横ブレが小さいのが高級と感じられるのかもだ。
2020年11月20日
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