2020年11月20日

【薙刀式】薙刀式がタイプウェルが遅い理由

やっと最近わかってきた。端的にいうと、
「単語語尾と次の単語の語頭のつなぎが下手」だから。


日本語は膠着語である。
単語と単語を接着剤(豊富すぎる助詞、助動詞、接続詞など)で、
次々にくっつけていくことで意味を生む。

英語の接着剤は、ぼくは「空白」だと思う。
だからUSキーボードのスペースキーはでかいのだ。

日本語では、
その他代名詞、活用語尾なども含めて、
薙刀式では「繋ぎの語」などと呼び、
その部分にとくに力を入れていることを書いた。

そして薙刀式は繋ぎの語が速い。
正確にいうと、
「繋ぎの語が繋がるのが速い」感じ。

たとえば。

「そう」という繋ぎの語からの展開を考える。

そういう
そういうこと
そういうことならば
そういうことで言うと
そういうけれど
そういうがね
そういうもの
そういうものだから
そういうものとはいえ
そういうものとして
そういうものとは
そういうものなんだけど
そうした(以下上と同じような)
そうする(同)
そうこうしている
そうだ
そうだった
そうだったこともある
そうだなあ
そうだとしたら
そうなんだが
そうなん?
…などなど。
「そう」始動から無限コンボがあるかのようだ。

薙刀式はこのような、
繋ぎの語から、次の繋ぎの語が、
滑らかに接続されるような配置になっている。

繋ぎの言葉の樹形図というか、ネットワークがあり、
それらの繋がり同士が速い。

これは、思考を配列でシミュレートしている感じだ。
単語(薙刀式では「話題の語」として、「繋ぎの語」と区別する)
の中の速度はあまり気にしていない。
それは統計的出現頻度で、
頻出連接がつなぎやすければOKくらいに考える。

それよりも、
それらを繋ぐほうに、楽に速くできるように特化した配置だと思う。

単語-【繋ぎの語同士の連携】-単語-【繋ぎの語同士の連携】…

のようなものが文(=思考)であり、
その接着剤を素早くネットワーキングできる
=思考の速度についてこれる打鍵が、
薙刀式の特徴だと僕は考える。

極論すれば、
話題の語をぜんぶ「それ」などで代替してしまい、
繋ぎの語だけで文章を書くことは可能だろう。

単語の出てこないおじいさんの会話のようだが、
あとは「それ」を置換すれば、
思考自体は明晰であろう。

思考の正体は、そのネットワークの繋がり自体だと考える。


さて。

タイプウェルは、その真逆だ。

上の構造から、薙刀式の得意とする【繋ぎの語同士の連携】を取り去った、
単語-空白-単語-空白-…
のレースがタイプウェルだ。

【】部分を速くしているわけだから、
トレードオフで単語の速度は落ちるだろう。
だから、
原理的にタイプウェルで天下を取れないなこれは、
と分かってしまった。



もともと、
「単語語尾から単語語頭への繋ぎが悪いな」
という実感があり、なんでやろと考えたら、
「普通の文章はそこに繋ぎの語が入るからだ」と気づく。

上の文を分解すると、

普通 文章    繋  語 入    :タイプウェル的なところ
  の  はそこに ぎの が るからだ:薙刀式の得意なところ

のように図式化できて、
オイオイ補集合かよ、と突っ込んでしまいたくなるわけである。


薙刀式の動画を見ていると、
「文章でのひらがなの部分が爆速化している」
ことが分かると思う。
それは、単純なひらがな単語をのぞけば、
ほぼ繋ぎの語の部分だからだ。

なるほど、薙刀式の得意な部分を封じられての縛りプレイが、
タイプウェルであったことよ、と気づく。

じゃあ慣用句ことわざは速い?
いや、あれは現代語ではなく江戸時代の言葉に近いものが多い。
だからあれはあれで独特の指回しになると思う。

イータイピングは速いのかな。
ウチはネットをわざと引いてないので、
カフェでわざわざ無料WiFi接続してやらないといけないので、
あんまり手軽にやってないんだよな…

でも手を広げると労力が分散するし、
タイピングゲームそんな好きじゃない(コピー打鍵なので)から、
そこまで研究するつもりはない。


ということで、
薙刀式のXJ到達は厳しいかもしれない。
ミスが倍くらい下がれば行けるかも、という希望的観測。

先日カタナ式との比較で見たら、
自分の限界の指の速度(5.4打/秒)でほぼ薙刀式も打っているため、
これ以上は動線効率を上げることではなく、
「物理的な指の限界速度を上げる」アスリート的なことでしか、
速くなれないと気づいた。
そんなん、おっちゃんにはもう無理や。


なるほど、薙刀式の得意なことと、
タイプウェルで要求されることは、全く別物であることまでは分かった。
打鍵動画ではスルスル打っているのに、
タイプウェルの成績がSS止まりなのはそういうことだろう。

「単語だけ速くたって文章かけなきゃ意味ないだろ」
とタイプウェルを初めて見た時に思ったのだが、
その予感は当たっていたと、今頃明らかになるとは…
posted by おおおかとしひこ at 13:04| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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