と考えると、ドラマを盛り込める。
単純に胸糞な悪役を考えるのも面白い。
知的な悪を考えるのも面白い。
しかしドラマチックな悪が、
一番面白いと思う。
その悪は、少しでも世界を良くしようとして、
どこかで歪んだ。
いや、ずっと間違ってるとさえ思っていなかった。
傍目から見れば誤りなのに、
その人からはまっすぐな道に見えている。
こうした、
主観と客観のギャップをドラマに盛り込むと面白くなると思う。
悪役を描くには、
その悪が敗北したラストから考えて、
反省会をさせると良いという。
「私の敗北はどこからはじまったのか?」
と大反省会をやるのだ。
おそらく、その最も面白いのは、
「最初の一歩が間違っていた」だろう。
最初に左に行けば、
正しく世界を変えられたのかも知れないのに、
最初に右に行っただけで、
正しく世界を変えるつもりで、
まったく悪の道にいたという皮肉。
その皮肉な運命を作り上げると面白くなるだろう。
そしてそれは、
作者の分身でもある。
世界を良くしようという、より純粋な作者だと言って良い。
それを、作者の分身であるもう一人の主人公が倒すのだ。
どちらも自分の分身だからこそ、
真に迫ったセリフが書けると思うよ。
世界を良くするにはどうすればいいか?
悪役は、一歩間違えて突っ走る。
主人公は、たまたま間違えなかった側にいた。
たったそれだけの紙一重で、
大きく違う人生を歩んだ、対照的な二人。
それがアンタゴニストとプロタゴニストであるべきだと、
いつも考えている。
2020年11月23日
この記事へのコメント
コメントを書く