配列とは使用する文字の論理的配列だが、
そもそもそれを使う指の、物理能力は人によって異なる。
配列との相性を見るために、
自分の指の強度を数値化しておくことをお勧めする。
指の強度というのは、主観的な指標でよいと思う。
器用に動かせるとか、丈夫とか、
自分の思い通りになり、自分の意思を伝えるのに苦ではない、
などだ。
qwertyローマ字をブラインドタッチしてみれば、
「別に苦ではない指」と、
「苦手でよく間違えたり遅い指」があることくらい分かるので、
主観的でいいので、
指のランキングを作るつもりで、
数値化してみるといいと思う。
僕の場合、左小指から順番に10本指を並べると、
2:1:5:7:6::6:15:10:7:3
ぐらいじゃないかと主観的に思う。
他の人に比べて、右人差し指が発達していて、
その代わり薬指小指は控えめで、
とくに左薬指は突出してダメな気がする。
具体的な数値は、
たとえば、
「ノーミスで、中段キー→上段→中段→下段→中段…」
のような、指の反復横跳び50回などのタイムを計測すると、
出すことが出来ると思う。
指によって疲労度が全く違うから、
タイムだけではなく疲労度も込みにして、
主観的な10本指の数値に加味するとよい。
で、本題。
各配列は、大抵指の頻度表をつくっている。
それが、自分の指のプロフィールと合っているものが、
あなたに向いてる配列で、
合ってないところが、あなたの不快に思う部分である。
たとえばqwertyローマ字。
僕にとってはAの左小指を使いすぎ、
左薬指のSWも使いすぎてつらい。
一方使いすぎと言われる右人差し指は、まだ余裕がある。
僕は左親指スペースなので、
右親指の使用頻度0のため、右親指は遊んでいる。
たとえば親指シフト。
僕にとっては、左薬指の、か、し、あ、えが、
どれも頻度が高すぎて辛かった。
両小指の、う、ん、句読点、を、っ、も辛かった。
つまり弱い指への負担が大きすぎた。
たとえば飛鳥配列。
僕にとっては、左薬指の、し、あ、おが辛く、
右小指の、た、そ、で、が辛く、
左小指の、だ、が辛かった。
右手の多用は好みだったが、合わない指が辛かった。
たとえば新下駄。
僕にとってはSシフトとDシフトが混乱したり、
ミラー現象がおさまらず、
左薬指起点の何かはほぼ全滅に近いほど打てなかった。
また、QPやRTYU、Z/との、自分の相性も把握しておくと良い。
僕はQは苦手、Pは右薬指で取れればOK、
RUは行けるが、TYはダメ、
Z/はいける、
みたいな感じだ。
これと、各配列のヒートマップを見比べれば、
あなたがその配列に合うかどうかを、
事前に把握できるわけだ。
また、文体によってヒートマップが変わりうるかも知れない。
eswaiさん開発のかな入力アナライザーは、
コピペで色んなタイプの文章を突っ込むと、
色んな配列のスペックが比較できるので便利だ。
https://keyboard-analyzer.vercel.app/
もっとも、
「合わないと予想したが案外行けた」
「合うと思ったがそうでもなかった」
などのことがあるから、
実際には触ってみないとなんともだが、
合コンで会う前に写真を見る程度の、
事前情報になり得ると僕は思う。
各配列がせっかくヒートマップを計算してくれているのだから、
自分の指のヒートマップも作っておけばいい。
そうすると、
配列同士の比較ではなく、
あなたと比較することが出来るというわけだ。
ということで薙刀式は、
2:1:5:7:6::6:15:10:7:3
のような僕が作った配列なので、
そんなプロファイルの人に合う可能性が高い。
経験上、
配列が合わないのは、
長所よりも短所であることが多い。
「どうしても指が合わない」ことが中止の原因になり得る。
「親指による同時打鍵で、順手と逆手で使い分ける」
という親指シフト方式自体は合うのに、
配字と頻度で合わない人は、親指シフト配列(ニコラ)は使えないわけだ。
「親指シフトを練習してもちっとも速くならない」人をよく見かけるが、
そういう人じゃないかと予想している。
もちろん、
指の最適化(標準的な運指ではなく、適宜指を変えて打つ)や、
少しだけ改造する、
などで、使いこなせる可能性もあるため、
「何が気にいるか」は、出会いのものではある。
数値上合理的でも、思考と指の関係が合わないこともあるし。
それにしても、自分の指を知ることは、
配列と自分の関係を知る上で大事だろう。
ピアニストの理想は、
1:1:1:1:1::1:1:1:1:1
なのかな。だとしたら全然無理だわ。
2020年11月27日
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