最新の3Dプリント自作キーキャップ、サドルプロファイルは、
大きく二つの特徴がある。
1. 球を掴むように打てる人差し指〜小指部
2. 斜め横に大きく傾き、斜めに押せる親指
2.に関しては、僕が自作キーボードを始めた頃からの課題で、
今のところこれが一番楽だなと思えるものに仕上がっている。
で、「どういう風に打つのか想像できない」との声を聞き、
たしかに、と自分の打鍵を動画で観察してみた。
(https://www.youtube.com/watch?v=tbkEqAV6eFQ&app=desktop
の、12:43あたりからの左手がわかりやすいかな)
設計した当初は、
指をキートップに接触した状態で、
優しく掴むように押下するのだろうと思っていた。
ところがそうではないことが、動画を見るとわかる。
以前から自分の打鍵を観察していると、
僕は、「思考の一単位」で打鍵塊を一連で打つことが、
わかってきている。
思考の一単位は、単語だけにとどまらず、
助詞や活用語尾をまとめたもの、
いや、文節以上の句読点まで、
いや、一文単位、
などのようだ。
(複数文が思考の単位であることはあるが、
変換確定のIME操作の癖から、
複数文を一気に打つことは僕は少ないようである)
で、
思考の単位の狭間では、
僕は指を軽く触れてホームポジションに戻り、
「思考の単位のはじめから終わりまで」は、
指をキーから離して自由な空間に放ち、
つまりキーの上空に指を置き、
打鍵して、次へ行くときはそのままいき、
しばらく使わないならまた空中待機、
を繰り返していることがわかっている。
これは、打鍵塊を打つのに合理的な指の動きだと考えられる。
一々ホームポジションに指を戻すのは距離の無駄で、
押下した状態から次へ動線が発生しないならば、
ニュートラルな上空で待機するのが、
三次元的にエネルギーが少なくて済むということだ。
一次待機状態が解けて、
思考の単位が次に出てくるまでの二次待機の状態に限り、
指をキーに置いて、指を休めるらしい。
さて親指だ。
この原則にのっとり、
思考の狭間では親指を親指キーにおき、
思考の単位のはじまりで空中待機、
途中では空中からキーへ接触、
思考の単位が終わったら親指キーへ着陸する、
を繰り返しているみたい。
この時、
空中からキーへの着地、すなわち打鍵の仕方は、
「指紋部分(指先ではなく)を垂直にキー面へ落とす」
「垂直ではなく斜めにこするようにする」
「押しっぱなし(シフト)のときは垂直系、
押してすぐ離す(空白単打、変換単打)ときはこする系」
の特徴があることが、動画から推察される。
ふむ、自分の無意識の運動が一体どういうことになっているのかを、
動画で観察、確認することはなかなか興味深い。
俺こんなことやってんのか…
カナ配列薙刀式では、
スペースキーとシフトキーを兼ねている、
いわゆるセンターシフトで、
親指の2キーはどちらも同じ役割に振っている。
(基本逆手シフトだが、左の同手シフトは癖で使っている)
親指単打は、変換、空白、句読点用のシフトに決め打ち、
親指押しっぱなしは、文字のシフト、連続シフトに、
主に使われているようである。
(英字入力のときのシフトも兼ねているが、
動画ではほとんど使用する場面がなかった)
で、なんとなくだけど、
「こするように斜めに入る」が7割くらい、
「指紋部分を押し付けるように垂直に」が3割くらい?
つまり、親指は言葉で言うと、
「横に、斜めにキーへ滑り込む」感覚だということかしら。
サドルプロファイル全体が、
「球の表面を撫でるような打ち方」を想定しているため、
親指もそれに引っ張られているのだろう。
当初の設計の「つかむ」は、
ホームポジションべったりの時ならやるけど、
活発に文字を打っているときは、
こすり入力っぽい感じで親指を動かしていることが、
多いようである。
「つかむ」は引きつける方向の力で、
「こする」は押し離す方向の力だから、
そのへん逆になっている。
そもそも僕が疑問に思った、
「普通のキーボードは、なぜ親指の側面で叩くのか」
に関しては、親指の指紋部分で接触されることで解消したが、
「掴むための指を、引きつける方向ではなく、
押し離す方向に力を使う」
という点では、
従来のキーボードと同じ力の使い方である、
ということは発見だった。
指の一番丈夫なところで接触できたことは大きいが、
「はたして親指を押し離す方向の力で打つことが、
労力の少ない打鍵か?
引きつける、掴む方向の打鍵がよいのでは?」
という疑問はまだ解消していない。
とはいえ、人差し指〜小指は、押し離す方向に前滑りしているため、
親指だけ引きつける力を使うのも、
統一されずに不自然だから、
やるならば、
「どの指も指を引きつける力で打鍵する」
ようになると、また考え方は変わってくるだろう。
(それが従来のPCBやスイッチで出来るかはわからない)
斜め親指キーには、
大体これくらいの思いがこもっていて、
あとは手首をつけた状態で、
パームレストなしで触れるような角度を追求した。
実際、掴む力を使うのは、
指を曲げて突き刺すような使い方の時かもしれない。
親指シフトの理想はそうらしく、
薙刀式+サドルプロファイルはその逆だということがわかる。
2020年11月28日
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