鬼滅の刃、ようやく最終巻を読めた。
なるほど女性の書いた物語だなということを身にしみる。
女性がときどき、
少年漫画のヒロインに嫉妬したり、
心乱される理由が少しわかった。
女性作家の描く男性像は理想的すぎて、
男のコンプレックスを激しく刺激する。
おれは煉獄のようにポジティブにはなれないし、
炭治郎のように前向きに明るくも鈍くもなれない。
あいつらは眩しすぎて、
自分の足りない部分だけが嫌になる。
男性作家の描いた理想のヒロイン像を見て、
女性たちは対称的な痛みを感じていたのかも知れない。
予想通り、仲間にテーマを落としてきたか。
終始鬼たちを「敵」と呼ぶ、身内贔屓かつ排外主義も崩さなかった。
少年漫画でなくて、少女漫画だったら、
あるいはサンデー漫画だったら、
おもろいやんで終わってただろう。
自分の育ったジャンプでこれが生まれた意味を考えると、
僕の古巣はとうにないんだな、
と、
卒業以来前も通ったことのない自分の高校が、
廃校になったような悲しみを感じた。
物語の作法的に色々言いたいことはあるが、
同時代の作品の中では傑出していて、
女性のハートを掴んだことはたしかだ。
僕は、男子やおっさんのハートを掴む物語を、
書き続けたい。
剣劇を真剣に考えれば考えるほど、
右翼思想とどう付き合うかを考えざるを得ない。
ヒーローものを突き詰めたら国防軍になってしまったマーベルほど、
突き抜けることは難しい。
答えは出てないので、また考えることにする。
今回は単なる感想のメモ。
最終回はまさかのアレとはびっくりした。
エピローグが長いのも、女性作家の良くない特徴だね。
ひとりひとりを大事にするのは、女性作家のいい特徴だけど。
2020年12月10日
この記事へのコメント
コメントを書く