2020年12月13日

【自キ】涅槃イエロー2

新しい触感ができた。
軽く、柔らかい感じのもの。
グミのような、人工おっぱいのような。
(実際、フィギュアのおっぱい部に使われ始めているそうだ)

エラストマー樹脂を底クッションにおいたこの改造は、
キータッチの概念を、
リニアでもない、タクタイルでもない、新しい次元を提出するような気がする。


みんなのキースイッチの感触の理想は、リアルフォースやHHKBだろう。

静電容量方式という電気的な接点の部分ではなく、
実際のところはラバードームの形や材質によって、
あの不思議な感触が作られていることは、皆さん御存じだろう。
(だから「静電容量の自作キーボードがつくりたい!」という野望は、
実のところ、静電スイッチを作ることよりも、
「あの感触を再現したい」という欲望だと思う)

まあ、実際あのラバードームは、
静電スイッチを下に仕込むための形をしているから、
メカニカルスイッチにそのまま持ってきても使えないわけだ。


今回新しく仕入れたエラストマー樹脂による改造は、
リアルフォースのような感触に近づいたどころか、
さらに柔らかい感触になった。
「ふにふにスイッチ」とでも名付けたいくらいだ。
シリコンよりやわらかいので、おっぱいといっても過言ではない。

改造法については涅槃イエローと同じで、
EVAの代わりに入れるものを変えただけなので、
とりあえずは涅槃イエロー2とでも名付けておく。

なんと、百均で買える物で改造可能だ。


軽いバネにすると、底打ちのダメージがまともに入るようになるため、
底部分に何かしらのクッションがあることが理想で、
EVA、シリコンゲル、ウェットスーツゴム、
などを試してきたが、
どれもまだ固く、こつんと跳ね返る感じが不快であった。

ここまで極端に柔らかいと、
かなり疲れずに楽々打てていける。と思う。
(なお耐久性これから)



【材料】
Gareron Ink Yellow
(スピードスイッチで、アクチュエーションとトラベリングが短いこと、
軸安定性がいいこと、
透明で中が見えて作業がしやすいことが選定の理由)

エラストマー樹脂
(百均キャンドゥで売っていた「足指キャップ」。
魚の目や靴擦れ対策用の柔らかいもの。
乳白色だけど断面は透明)

アクリルゴム製の両面テープ1ミリ厚
(同じく百均キャンドゥで売っていた「超強力アクリルフォーム両面テープ」)


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MXスプリング30S(20Cn)
Chocスプリング30G、25G、45G
今回はアクチュエーション計測で、
20、30、35グラムの3種のバネを使った偏荷重とした。
Chocの20は短いため、今回の改造と相性が悪く、
同じアクチュエーション荷重で底まで長さのあるMXを使用。
(全部MXでそろえる手もあります。
手持ちがChocでそろえているので)

左手で、●を45、◎を35、〇を30、△を20とすると、
△△〇〇〇
△〇◎〇〇
△△●◎〇
    △


【レシピ】

1 エラストマー樹脂を1・5ミリ角の直方体に切り出す。

じつはこれが最難関の工程。
すごく伸びて、なかなか切れない。
釣りのミミズの疑似餌とかにも使われているらしい。
極端にびよーんと伸びる素材。
カッターを当てても切り切れない。
素材をもっている左手で転がしながら切って、
ようやく切り離せる感じ。

しかも正確に切ることが大変難しい素材。
2ミリ角だと大きすぎて、1ミリ角だと小さい。
直方体に切ることすら難しい。
なので、「最大径が2ミリよりも小さい、立方体になっていない、
斜めにも切れている物体」
が出来上がる。
うまく行くのは、何回も失敗して体得した僕ですら、
1/3くらいといったところ。
(慣れてくると目視で成功失敗がわかる)

この大きさの勘所は、あとで述べるように、
ステム穴との関係性で決まるので、何度か失敗して、
ベストの大きさの感覚を掴んでほしい。


2 エラストマー樹脂をステム穴に挿入

切り出したものをボトムハウジングのステムの中央の、
脚が突っ込んでいくステム穴の中に入れる。

このとき、大きすぎると入らず、
小さすぎるとクッションが足りない。

ピンセットで入れるときに、
ぷりっとか、みちっとか言って、
下の空気が漏れてくるくらいだと大きすぎる。
何も抵抗がなく底まで落ちると小さすぎる。
ある程度側面に触れて抵抗があり、かつ下の空気が抜ける程度の大きさがベスト。

透明のステム穴を横から見て、
底まで到達しているか確認。
(到達していないと圧搾空気ができてしまい、
何かのはずみでぶりんと樹脂ごとステム穴から飛び出して大惨事に)

ピンセットでステムの代わりに、
底打ちしてみるとよい。
ボトムハウジングの底面を抜けたあたりの高さで抵抗を感じ始め、
穴の底に至る直前くらいで止まるのが、
理想の樹脂の大きさ。

そのときに抵抗が大きいと反発力が強すぎ、
抵抗が小さいと底打ちが痛い。
このへんの感覚は、
なんどか失敗して体得してください。
完全に目視と触覚の世界です。

この上に、バネとステムを乗っけて、
押してみて感触を理解して、
よければ閉め、よくなければ樹脂の大きさを変えること。
閉めたあとも実際に打鍵してみないと感触は分らない。
大きすぎると導通しないし、
下手すると振動してチャタリングしてしまう。
小さすぎて底打ちの感触がほとんど変わらないのはわかるけど、
ぎりぎりどこまで大きくしていいのかは、
勘所が分るまで試行錯誤です……。


また、35より20のほうが、
樹脂は小さめにしたほうがいい感じ。
そのへんは何度か失敗してやり直して、
大きさと弾力の関係を掴んでください。

2ミリより微妙に大きく切れてしまったから、
これにカッターを入れてちょっと切ったろ、と思っても、
なかなか思い通りに切れないのがこの素材の厄介なところ。


3 スイッチとPCBの間にアクリルゴムテープをはさむ

厚さ1ミリの、アクリルゴム製の両面テープで、
クッション替わりにする。
打鍵感が安定して柔らかくなり、振動が抑えられるので、
お薦めです。

今回の改造には関係しないので、
普通のスイッチのときにもおすすめ。
(以前いいと言っていた2ミリ厚だと、ホットスワップしまくっていると、
スイッチが浮いてきて導通しなくなることがでてきたので、
1ミリ厚に変更)

今使っているのは、以前の涅槃イエローを換装したものなので、
ステムとハウジングのルブ済み、バネルブ済み、
トップハウジングの静音加工済み、
ボトムハウジングの中敷きにダクトテープで静音加工済み、
ステムの前後ろ面にマステを貼って静音加工済みなので、
この手間もかけるとなると、わりと大変。



うまく調整すると、
リアルフォースよりも気持ちいいよ。
なにせ人工おっぱいのような感触だ。
ゆっくり押すとおっぱいぽくて、
速く押すと打鍵の返りが速くなる、
面白い素材だと思いました。


なお、樹脂が大きすぎるとき、
キーキャップを底までぐりぐり入れると、
返ってこなくなることが多いです。
開けて見てみると、樹脂がステム穴から飛び出していることが多く、
ステム穴の中で圧搾空気ができたのでは、
と予想します。
(これを上手に使えたら、空気圧が底打ちをカバーするスイッチがつくれるかも?)

何度も開け閉めして試行錯誤する必要があるので、
根気がある人専用。

まずは中段の4キーだけでもやってみて。
世界が変わる。まじで。
posted by おおおかとしひこ at 18:50| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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