ストーリー進行で、つねにこれはチェックしておこう。
主人公はまあ把握しているだろうが、
サブキャラでなんでいるんだっけ、
ということがよくあるからだ。
ストーリーに出演しているキャラクターは、
全員が目的がある。
目的のないキャラは、モブである。
(町を歩くエキストラでさえ、
本来は目的をもって移動している。
だから歩いているのを遮られたら、
「困るよ」というはずだ)
主人公がその場にいるときに、
なぜここに来たかを説明することは、容易だろう。
「〇〇を〇〇するために〇〇から来た」
と説明することができるだろう。
出来ない場合はヤバイ。
ストーリーが繋がっていないことを注意したほうがいいぞ。
主人公は少なくとも、
ある目的を達成するために、
その場所(シーン単位で柱で書かれる)へ、
来ているはずだ。
その目的を達成するか、
それに準じる結果が出るまでは、
そこを動かないはずである。
(次の目的ができたり、その目的を変更した場合は、
例外だろう)
だから主人公には、
「どこから来ましたか?
それまで何をやってましたか?
そして、ここには何をしに来ましたか?」
と問うことができるし、
答えられなければならない。
それが一続きにつながっていることがストーリーだからだ。
で、ここからが本題なのだが、
全ての人物に対して、
これが設定されているべきである。
主要登場人物はもちろんだ。
「ただここにいる人」はいない。
「主人公の付き添いで」でもいいし、
「そのふりをして実は真の目的がある」でもいいし、
「たまたま通りかかった」もあってよい。
その場合「〇〇の為に〇〇へ行くところで、
偶然通りかかった」になるだろう。
「なぜか知らないがここにいる」人はいない。
前に出てからしばらくたって出演したキャラだとしても、
「前に出てから今まで何をしていたか」
「昨日の晩はどこで寝たか」
「ここへはそこからどうやって来たか」
「なにしに来たか」
は設定されていなくてはならない。
カフェの店員がお釣りを受け取る場面であったとしても、
そのカフェの店員は、
朝家から来たのか、朝彼女の家から来たのか、
そしてこのバイトが終わればどこへ行くのか、
まっすぐ帰るのか、
そうした目的があって今お釣りを受け取っている。
短期的には終わったらプレステ5を買いに行こうとしているかもしれないし、
長期的にはバンドでデビューすることが目的かもしれない。
そうした、
色んな人々が、
いまここに集っているときの、
「どこから来たのか」
「何しに来たのか」に、
空白があってはならない。
「ストーリー上の都合上、
ここにいないと成立しない」からここにいるのを、
ご都合主義という。
それは作者の勝手に過ぎず、
不自然なものとなる。
最悪でも、とってつけたような目的が必要だ。
「コンビニに行く途中で通りがかった」でもいい。
なぜいるのかわからないよりも、100倍ましである。
で、やっと本題なのだが、
それを使わないならば、
ご都合主義と同じなのだ。
黙ってたって分らないじゃないか。
何かを設定することは、
それを本編で使うことである。
コンビニに寄る途中ならば、
たとえば喉が渇いてるのを利用して何かをするのだ。
コンビニの袋を劇中で道具として使えるならば、
コンビニの帰りに通りがかったようにすればいいのだ。
そこでスマホをわすれてきた、などのように作り、
次へつなげていけばいいのだ。
もちろん、
主人公の目的のメインストーリーを邪魔するようならば、
それはカットしたほうがいいだろう。
しかし豊かなストーリーというものは、
そうしたサブプロットを利用して進めるものだ。
いまこのシーンに、
5人がそろっているとしよう。
それぞれに問う。
「なにしに、どこから来た?」と。
答えられないなら、
それは脚本が甘いということだ。
役者がそのシーンを演じるときに、
そうしたことが設定されていれば、
すごく役に入りやすい。
それは、目的を持っているからである。
ないなら、自分でつくる役者もいる。
ないのにそこにいるのは、
ただのご都合主義だ。
「おれ、必要ですかね?」なんて言われたら、
アウトだよね。
それは役者じゃなくて、
そのキャラクターに言われているのと同じだぜ。
各自の目的が違っていても、
同じでもいい。
同じ目的の為に違うところから集まって来るのは、
わくわくするからね。
でもいつそれが同じだと知ったんだっけ。
どこから一緒に目的を同じくしようと思ったんだっけ。
そういうことを詰めていくと、
足りないストーリーが浮かび上がってくるかもしれないね。
2020年12月17日
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