2020年12月27日

ツカミまでは誰でも書ける

「とんでもない事件が起きた?
主人公は解決できるのか?」
までなら、ちょっと思いつけば誰にだって出来る。

1万人いたら、3000人は書けると思う。
問題はその先なんだよね。
最後まで書ける人は、ここから極端に減る。
そうだな、10人いないだろう。

なぜか?


ツカミほどその次が面白く無いからだ。

最初は面白くて勢いがあったのに、
どんどん面白さや勢いが落ちてきて、
最初ほどのモチベーションが保てず、
脱落してしまうのだ。

解決法はふたつ。

1. そのテンションを最後まで貫く。
2. 全体を見据えた上で、最初のツカミを適切なテンションまで落とす。


1が出来るなら誰も苦労しない。
失敗例は「ファイアパンチ」で学ぶことが出来る。
第一話は成功したが、
どの話もこのテンションを下回った、
究極の出落ち作品として研究に値するぞ。

しかし人類に不可能はない。
1を貫いて走り切れる人も0ではないだろう。

もしあなたが1が出来ないのなら、
2を検討するしかないのだ。

そのやり方。



まずプロットでいいので、
「おしまい」「解決!」「これにて一件落着!」
まで作りなさい。

それが、ツカミより面白いかどうか検討しなさい。
ツカミより面白い解決なら希望はある。
1を貫こう。

99/100くらいは、
ツカミほど面白い解決など出てこない。
ここは下方修正する。
まずそのツカミは捨てよう。
捨てるのが勿体ないときは、
「ツカミフォルダ」でもつくり、入れておきなさい。

そして、その解決に相応しい、
新ツカミを考えるのだ。

解決と逆方向のツカミになるだろう。
逆方向の入り口を作るなら、
間でツイストがあるだろう。
そう思わせといてこう展開する、
みたいな意外性を組むことができるだろう。

俯瞰しよう。

こう掴んで、こう入って、
ここで意外な方向に走り、
そして解決に至る。

それが首尾一貫性があるならば、
プロットは完成だ。
執筆しよう。

もう少し粘る手もある。

「もっとどこか面白いものを足せないか?」を考えるのだ。

もっと面白い解決を思いつけば、
もっと面白いツカミを考えられる。
もっと面白いツイストを思いつけば、
もっと面白いツカミや解決を考えつける。

こうして、
「全体を面白くしていく」を考えるのだ。


ツカミだけ書いて「さてどうなる?」までしか書けなかったときは、
このような、
「全体を面白くしてから部分を書く」
という経験をしてこなかっただろう。

デッサンで言えば、顔だけ描いて全身を描かなかったのだ。
顔だけ描けたって絵にはならない。
全身が描けないとね。

全身が描けるようになると、
「その全身ありきのいい顔」も描けるようになる。
全体に地力がつくからである。
顔だけ描いてるやつは、
地力がそもそも足りてなくて全身が描けないのだ。


だから、全身を描く。
つまり冒頭から解決までだ。

大作を最初から書くのはむずかしいから、
1分、5分、10分、15分程度の、
短編を書くのを僕は勧めている。

絵で言えばクロッキーだ。
「まず全体を描く」の経験を沢山積むのだ。
それがいつでも大体出来るようになってから、
「ようし面白い大作(または中編)を書くぞ」と、
意気込んでも遅くない。

むしろ、そのやり方が一番速く「最後までちゃんと書く」
に辿り着ける、最も効率的なやり方だと思う。

あなたが10億人に一人の天才でないならば、
この道が王道だ。


顔だけスケッチブックに描いて遊ぶ人で終わるのか?
「作品」レベルまで完成させるのか?
後者になりたいのなら、
ツカミだけ思いついて満足してる場合ではない。


逆に、「すげえ面白いツカミ100」を考えなさい。
それで最後まで書けるやつを探す嗅覚を鍛えよう。
そのうちいけると思ったやつは最後まで書いてみ?
posted by おおおかとしひこ at 01:24| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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