2020年12月28日

香港B級映画かと思ったら(仏版「シティハンター」評)

愛を描かせてフランスに勝るものはないね。
シリーズ化しないかなあ。

某所で激奨されてたので見てみた。

以下ネタバレで絶賛。


下着ショーあたりから、
フランス映画でよかったなあなんて思い始めていた。
日本じゃあんなにしゃれてないし、
実はフランスはカーチェイス大好きなんだよね。
ベッドを引きずってのチェイスは、
香港映画よりよかった。

しかし二人で踊るあたりからの、
香の、獠への思いをうまく利用した展開が愛の映画だ。

惚れ薬大騒動だけかと思いきや、
「最初から惚れてる場合は効かない」の落ちは見事。
二人で銃を撃つラストは、
どんなシティハンターよりもシティハンターっぽかった。
このラストだけで拍手に値する。
よくここまで積み上げたなと。


もし自分がやるなら、と考えると、
こんなに外しながら、
こんなにど真ん中に当てて来ることが出来るだろうかと考える。

槇村の仇、ユニオンテオーペをうまく使った縦の線で、
これはシティハンターになっているが、
次回作を作るとしたら難しいだろうなあ。
ファルコンを使うしかないか。
あとは冴子と絡ませるくらいか。


ただのB級アクション映画として見ても、
中盤以降が図抜けている。
こんなカンフー映画が昔は一杯あったのにな。

とにかくラストだ。
それがよければ映画になる例。


フランス版のシティハンター主題歌を聞きたかったろうに、
Get Wildをワンフレーズとはいえ優先的にかけてくれたことに、
とても敬意を感じた。
実写化ってのはこの敬意が大前提だよな。


コントは寒い。ギャグはダダ滑り。
唯一笑ったのはボスに人工呼吸したら首と胴体が離れてたところ。

それでも、香水と愛の映画として、
この物語は永遠に記憶に残る価値がある。

シティハンターの真の最終回を見たかのような気持ちになった。
(エンゼルハートは違う世界線です)
posted by おおおかとしひこ at 03:08| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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