2020年12月28日

このジャンルを示す言葉がない(「シティハンター」評2)

70年代の、007やルパン三世(1、2)あたりにある、
ヨーロッパ文化の洒落たところだけを集めたような、
このジャンルを示す言葉がないと思った。


大体オシャレで大人な男女の恋があり、
大体酒と銃と危険な賭けとベッドルームがあり、
大体蝶ネクタイとイブニングドレスに正装する場面がある。
(カジノ、オペラ、クラシックコンサート、社交パーティー。
結婚式や葬式はのぞくが、あえて使う時もある。
ゴッドファーザーでうまく使っていた)

スポーツカー、女が乗るバイク(エロいライダースーツ)、
ナイフ、カクテル、コイン、口紅、ガーターベルトのデリンジャー、
あたりがよく出て来るアイテムか。

大抵華麗なる泥棒か、なんでも屋探偵、スパイ、が出てくる。
マフィアや警部も。


キャッツアイ、オーシャンズ11、
古くはおしゃれ泥棒。

このジャンルに名前ないよね。
現実にはないだろう、物語世界にしかないこれ。

ラスベガスのカジノに行った時は、
うわあルパンみたいーって思ったものだ。
オペラに行ったことはないが、
きっと殺人事件が起こることを期待する感じのやつ。


仏版シティハンターは、
そのジャンルだって分かっててやってるのが、
素晴らしいと思ったんだよな。

モナコ、車の空撮、
そこにかかるメロウなサックスの音楽は、
ああ、「このジャンル」ってわかってんな、
って思ったもの。

セレブもの、セクシーアンドゴージャス、
というのとも少し違う。
おしゃれ泥棒もの、というとスパイが抜けてしまう。


この映画はミッドポイントをモナコの下着ショーにしたことで、
ただのB級アクション映画から、
「このジャンル」に来たんだよなあ。
フランス人わかってるわ。

70年代に見たこのジャンルは、
まだストリップ劇場や昔のキャバレーに行くと、
残ってるかもしれない。
でもやっぱり日本人がやるとダサくて、
フランス人がやると決まるもんだね。


実写の一番いいところを使って、
漫画の魂をうまく移植すること。
「シティハンター」は、それに成功した例のひとつだ。
いつかフランス人版のキャッツアイが見たいな。


イメージの中のフランス人は凄いおしゃれなんだけど、
実際パリに行くと全体的にそうじゃないことがわかる。
架空の中でイメージは増幅、純化されやすいのだね。

あんなカジノやスパイの世界は、存在しないのだろう。
おしゃれでトレンディな恋愛都市東京は、
地方から見たイメージに過ぎなかったのと同じように。
posted by おおおかとしひこ at 12:35| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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