2020年12月30日

メアリースーを三本書け

荒療治というか、免疫療法というべきか。

「メアリースーは良くないぞ」なんて言ったって、
失敗してみないと分からない。
じゃあ転ぶ練習をしよう。
近づかないで恐怖するくらいなら、
皿まで毒を食らって、
そこに落ちない方法を学ぶべきである。


大体三本も書けばわかるので、
完結した話を三本書け。

出来れば長編がいい。
短編だとあんまり実感がないから、
最低1時間ものくらいが3本は欲しいな。
30分ものなら6本に本数を増やすことで対応しようか。


以下のような主人公を徹底的に書きなさい。

・普段は目立たないが、○○の時は隠された能力が最高に出る。
・それは最強、最高。
・その二つ名は○○。
・つまり異能持ちなのだ。
・なぜか周りから人気があり、一目置かれている。
・そう、主人公はまるで俺だ。
 本当の俺がそこにいるのだ。
・なんならモテる。うっかり滲み出てるからね。
・絶対的に認めてくれる理解者がいて、
 どんな失態も気にせず信頼が揺るぐことはない。

・基本逃げる。何もやらない。
・後始末は、周りの誰かがやってくれる。
・ストーリーを進めるのは主人公ではなく他の何か。
・主人公は流されているだけだが、なぜかうまくいく。
・美味しいところは主人公がいただきだ!
・そして自らのトラウマや暗黒面も持つ。
 そう、主人公は可哀想なやつなんだ。なかなか理解してくれないが。
・クライマックスは、これまで一度も動かなかった主人公が、
 ついに全能力を解放するところだ!
 バッタバッタと敵は死ぬ!
 やっぱモテモテになるのはしょうがないよな!


違う舞台、違う主人公、違う異能、
違う敵、違う事件、違う解決の仕方で、
3パターンくらいやってみるといい。


麻薬のように気持ちいいかも知れない。
自分の願望や性癖を満たす凄いのを作ろう。
ヒロインは最高の自分好みにね。


書き終えたらしばらく放置しよう。
そして再読してみるとよい。

うわーやっぱかっこいいわーと言う人は、
ラノベの賞にでも応募したまえ。
才能があるかも知れない。

なんという恥ずかしいものを書いたのだと思えるなら、
黒歴史として封印しなさい。


それをわざと3ループくらい回せば良い。

全能感の麻薬との付き合い方を知ろう。

メアリースーの麻薬は、
自分は吸わずに、
客に吸わせる。

そこまで思えるくらいに、
その麻薬の性質を知るのだ。

まずあなたが中毒になり、解決法を確立しなさい。
薬学者は、こうして薬を作ってきたんだぜ。



三本も書けば飽きる。

自分じゃない、全くの他人である主人公が、
誰かのために何かを解決する、
ご都合の一切ない、自ら切り開く話を書くことが、
こうして出来るようになる。

かも。
posted by おおおかとしひこ at 01:38| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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