サドルプロファイルを改良する道具を思いついた。
熱湯で柔らかくなり、常温で固まる、
熱可塑性樹脂おゆまる!(100円ショップで手に入る)
これまでの設計の試行錯誤は、とても効率が悪かった。
CADモニタの中の絵で角度や距離を見る(触れない、目判断)
→3Dプリントしてようやく触れる
→こうしたい、と思うがそのブツを目の前に出現させられない
→モニタの中の絵で視覚で調整(あるいは数値で再現)
触覚と視覚があまりに遠く、
「今目の前で触りながら調整する」が出来ないことが、
大変効率が悪かった。
「こう思うんだけど、これはどう?」と思っても、
大胆な改造をすることに勇気がいった。
たとえば、「人差し指と中指で段差があるのはどうか?」
と思っても、目で見て整えてしまいがち。
しかも、「理想の形」という絶対的なものが存在せず、
今あるバージョンから相対的にいじることしか出来ない。
これでは理想に近づくのは大変だ。
しかし秘密兵器おゆまるを思いついた。
自作キーキャップのレジン用の型取りなんかで見てはいたんだけど、
「現行キーキャップに貼りつけて理想の面を先に作ってしまう」
というやり方があることを思いついたのだ。
油粘土をキーキャップに貼り付けても、
押せばすぐに歪むし、
紙粘土だと試行錯誤のループを回せない。
スイッチに挿して実際に打鍵してみないとわからない。
打鍵ストロークがないと、
「ただ手を置いたときに滑らかな面」しか作れない。
「押された深い位置から次の位置への曲線」のシミュレートが出来ない。
お湯で溶けて、常温で固まるおゆまるは、
形を変えられて、
しかも仮のキーキャップとして打鍵できる。
ちょっとこうだなと思えばまたお湯に突っ込めば柔らかくなり、
微調して水で固めて…
を繰り返せば、
「理想の形」を、触りながらモデリングすることが可能だ。
あとは、これを見た目合わせでモデリングしていけばいいはず。
(3Dスキャナーがあればさらに正確だろうけど)
0.3mmの差だって人の指は感じる。
0.3°違っても分かるものだ。
やっと理想のサドルプロファイルになるかも?
ちなみにすでにおゆまるベースのものをプリントして一週間使ってみた。
0.5mm、0.2°以下の微調整が必要っぽい。
一発で決まらないのは覚悟してたが、
人間の指はそこまで微差を感じるんだね。
ていうか1キーあたり一日何百回も触るから分かるのか。
以下、おゆまるのコツ。
・おゆまるだけでなく、
ベースになるキーキャップごとお湯に入れて熱の喪失を防ぐ。
しかし熱いので注意。80℃以上対応なので。
・大量のお湯でやったほうが冷めにくいのでよい。
・キーキャップに被せる形をつくるあたりで冷える
→お湯に入れて柔らかく
→形を少し整えたらまた冷える
→お湯に入れて…と、少しずつやったほうが完成は早い。
・水切りをちゃんとやったとしても、万が一を考えて通電は避け、
空打ちで打鍵感を調整する。一晩置いてからようやく通電。
・MJFはお湯焼け?なのか粘土焼け?の跡がつく。
やすりをかけて蜜蝋塗れば元通りなので、浸透はしてない模様。
あるいはベースになるステムだけつくって、
上におゆまるを乗せていけば、
さらに別のプロファイルを作ることができる、よね?
そしたら19格子ピッチでも、
微妙に重心を外した位置に持ってこれるかも知れない。
2021年01月20日
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