「こういう感覚を大事にして作ってきたら、
薙刀式になった」という変遷を書いてみる。
【シフト】
親指でシフトするのが楽だと思った。
文字領域でシフトするのは混乱する。
ただし右シフトと左シフトがあるとミラー現象を起こすので、
シフトは一個がいいな。
で、センターシフトになった。
逐次シフトでバカバカ親指を打つのは嫌いで、
連続シフトをしたかったので、
センター通常シフト、SandSを採用。
30キー×2で最大60キーあるから、
ここに全部入るだろと予測していた。
【濁音】
「人差し指キーと同時押し」が最初からあった。
下駄配列の、薬指と同時押しが気に入ってたから。
清濁同置、かつ濁音に対して排他的配置
(単打とシフトで、濁音になるカナはひとつしかないため、
一意に決まる)なのは、
TRONカナ配列が最初だと思うが、
それを踏襲しているかしこさが気に入った。
親指シフトでは、「表のキーに濁音化するカナを置く」
という制約があり、どう見ても自由ではなかったので。
清濁別置はするつもりがない。
記憶力が不安なのと、連濁が日本語にはあるから。
最初は、「逆手人差し指任意」だった。
つまり、逆手の、RFV、UJMと同時押しすれば濁音化していた。
同段の人差し指と同時押しだからわりと楽だったんだよね。
【半濁音、小書き】
最初は「SまたはLと同時押し」で、
半濁音化、小書き化していた。
濁音に関する排他的配置ができるなら、
自動的に半濁音に関する排他的配置もできるので、
あとは小書きに関する排他的配置に気をつければいい。
具体的にいうと、「あいうえおやゆよわ」が、
同じキーになければいいだけなので、
ずいぶん簡単だった。
たぶんこの状態のものが、
最初に出来た薙刀式。
すごくシンプルなものだった。
これと、親指エンター、U位置BS、
親指位置でのIMEオンオフが、
ペアになってついていた。
拗音、外来音は2打と割り切った。
今でもこれで完成としてもよかったかもしれないと、たまに思う。
新JISなみにシンプルな配列として歴史に残ったかもね。
3キー同時押しのない実装はこれでいいかもしれない。
【拗音同時押し、外来音同時押し】
「し」「半濁音よ」と計3キー押したり、
「濁音し」「半濁音よ」と計4キー押したりしていたが、
これまとめて同時押しできないか?
と思ったのがことのはじまり。
し+よ=しょ、し+゛+よ=じょという、
薙刀式独特の最大3キー同時押しの誕生だ。
ティ、ディ、トゥ、ドゥ、シェ、チェ、
ヴァ行、ファ行、ウァ行などの外来音も、
同じやり方で定義できるぞ、と思い、
こうして、
「拗音に関する排他的配置」
「外来音に関する排他的配置」もふくめた、
「すべてにおいて排他的配置」という、
特異な配列ができたわけだ。
【微調整】
あとはひたすら微調整をしていく。
排他的配置という極めて強い制限の中、
カナの連接、右と左のバランス、アルペジオ、使用頻度、
などを練ることになる。
濁音同時押しがFJのみになり、
半濁音同時押しがVMになり、人差し指同時に統一されたり、
小書きと半濁音は別のキーに分けるようになったり、
外来音は誤打が多いため3キー同時に格下げしたりした。
薙刀式の骨格はだから、
・親指センターシフト(通常、連続)
・濁音同時押し、半濁音同時押し、小書き同時押しの同置
・拗音、外来音の、同置同時押し
の、三本立てと考えられる。
あとは、配字、運指、連接をこの条件下で練っていった、
と考えると、
薙刀式の成立過程が分かりやすいと思う。
で、機能キーや編集モードがあとからついてくる感じ。
USキーボードでも使えるように、と考え、
30+スペースキーだけに範囲を限ったり。
QTYを使わないとか、
わりと下段重視とか、アルペジオ重視とか、
小指嫌いとか、左薬指もっと嫌いとか、
人差し指だけで出来れば使いたいとか(無理)、
僕の手癖に合わせた部分は大きいけどね。
配字と打鍵方式は二本柱だ。
こういう風に眺めると、薙刀式の全体像が見やすいかもしれない。
2021年01月01日
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