2021年01月07日

宿題を残して次に行け

大概完全な形で解決して次に行くことはない。
大抵宿題が残る形になる。


それを、意図的にやってるかやってないかだ。

意図的にやってないのに残る宿題がある。
「きっとこれは何らかの形で明らかになるのだろう」
と期待していても何にもならないことが、
ダメなストーリーではよくある。
「あれのあれはどうなったんだっけ?」
とよく調べてもやはり解決していないことが判明する。

その場合、
「作者が忘れていた/気づいていない」
ことがほとんどだ。

第一稿から忘れている場合もある。
最初の方ではアレとアレをこういう感じで解決しようと思って、
前振りで謎っぽくしていたのを、
ああ使ってないわー、
なんて事はよくある。

放置するのは論外だ。
きちんと直しておきなさい。
前振りに対してきちんと答える、
あるいは利用するシーンを作るか、
その前振りを削除して、無かったことにするかの、
どちらかを選択する事だ。

付け加える、または削除することで、
リズムや雰囲気が変になってしまうことがある。
それは、良くするまで書き直すしかないのだ。

もっともありがちなのは、
リライトの際のパズルで、
そのような断片の残骸が残ったり、
増やしたところの呼応を忘れている事だろう。

残骸が残ってるくせに、似たようなものを増やしてしまうことすら、
リライトパズルでは良く起こる。
似たような前振りが二つ(三つ)あり、
しかも放りっぱなし、なんてざらだ。


第一稿の時点でこの事故を比較的防げる方法は、
シーン終わりの時、
「このような宿題を残して先に行きます」
とセリフで言わせる事である。

たとえ不自然でネタバレだとしても構わない。
あとで削除する前提でいれば良い。

なんなら、全シーン入れてみたまえ。
この事で、「やり残した宿題」のリストを作ることすら可能だ。
そしてそれらを全て解消したうえで、
件のセリフは全消しすればOKだ。


宿題を、作者自身に明示する。

欄外に整理する方法もあるが、
管理が難しいので本文中にほりこむのが、
とにかく前に進む時は役に立つ。
posted by おおおかとしひこ at 01:04| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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