心臓の鼓動のペースと考えると、わかりやすいかも知れない。
展開の早いところは、心拍数が上がる。
危険、危機、大きな決定、
ドキドキが多いところは、心拍数が上がる。
展開がゆったりになると、心拍数が下がる。
落ち着いて考えたり、
深いところを探ったり、
慎重になったり、
笑ったり、味わったり、
過去の話をするところなどは、心拍数が下がる。
ストーリーは旅であるが、
マラソンだと考えても良い。
走り出しから飛ばせば心拍数は上がるが、
どこかで歩いて、心臓を休めないとまた走れない。
(第一作者がムリーってなる)
最初は普通でも、
徐々に上がってくるパターンでは、
ノリがどんどん上がってくる。
二時間心拍数を上げっぱなしにしたら、
心臓が持たない。
ずーっと低調なのは、退屈な散歩だ。
ストーリーテラーならば、
このマラソンの心拍数の上げ下げも、
上手にコントロールしなければならない。
これはストーリー作りとは少し違う要素で、
執筆やリライトのときに意識することだと思う。
どういうテンポで展開すれば、
どれくらい心拍数は上がるか、下がるかを考えて、
全体を面白いコースに設計するということだ。
ジェットコースターの設計、
マラソンコースや自転車レースのコース設計、
のようにイメージするといいだろう。
あるいは、自分の執筆のノリのコントロールでもある。
このあと落ち着くところがあると知ってるなら、
全力まで出し切って心臓を圧迫していくが、
どこで落ち着くか分からないなら、
中途半端な加速になってしまうかもしれない。
コースの下見でペースコントロールを作るのだ。
その下見とはずばりプロットのことだ。
最大心拍数はどれくらいが適切か。
それがどれほど続けば心臓は破れてしまうか。
それが休まるにはどれくらいまで落とせばいいか。
休みすぎて退屈するのはどこか。
じゃあどの辺からまたアップしていけばいいか。
自分が走り続けることを想像する。
その心拍数を測るような気持ちだ。
「心臓破り、心臓破り、心臓破り」よりも、
「軽いドキドキ、一気に心臓破り、
下がって落ち着いたと思ったら心臓破りマックス」
のほうが絶対面白い。
予想と裏切りをうまく使うことだ。
リライトの時は、
そうした心拍数にも気をつけるべきだろう。
このコースは走ってて面白いか?
このコースは走らせられて面白いか?
このコースはいつのまにか夢中になるか?
それは、心拍数と関係していると思うよ。
音楽の場合は、BPMや編成の厚みみたいな、
物理的に測れる指標があるけど、
ストーリーテリングは作者の感覚だ。
それに敏感になるように。
わかりやすいのは心拍数のグラフを書くことだけど、
そんな風にほんとに書けてるかな。
気持ちは少し後からついてくるよね。
あるいは、
常に初見のランナーの気分になって、
コースの見通しを良くしたり、
わざとブラインドコーナーを作ったりする。
ドキドキは、つくれる。
2021年01月15日
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