2021年01月16日

展開と設定の分量

これが適切でなければならない。
大抵の間違いは、展開<設定になってしまうことで起こる。


展開とは、
事態の進展、一部の解決、新しい問題の発生、
解決方法の判明、など、
メインプロットの進展のことを指すとしよう。
サブプロットのそれも含んでも良い。

描かれる具体としては、
行動やその結果がメインだ。
「ストーリーが動いている部分」と感じられるところだ。

設定とは、
世界や事件の設定、人物設定をしている部分だ。
新しい設定の追加や、過去話、
実はこうした真相で、というところも設定パートだろう。

描かれる具体としては、
話すシーンが多くなるだろう。
絵による設定、アクションによる設定は、
上級者レベルでないと難しい。
話して設定することは誰にでも出来るからね。

ストーリーが動いているというより、
「詳しくわかる」と感じられるところだろう。
動いていなくて、静止していると感じられるかも知れない。


で、
その比率はどれくらいがベストだろう?

5:5? 7:3? 9:1?

ストーリーによるとしか言いようがない。
謎解きなんかは設定の分量が多く、
馬鹿アクションなら設定の分量は少ないと思う。

あなたの理想の映画を分析しよう。
展開に何分、設定に何分使っているか?
細かく数えてみるのだ。

何が展開に含まれ、
何が設定に含まれるかは、
分析する人によってブレがあるので、
僕の分析例を示す意味はあんまりない。
「あなたがそう思うこと」の分量を把握することだ。

で、
自作品と比較するのである。


よくある退屈な作品は、
展開<設定
の関係になってしまっている。
ずっと動かなくて、
ちょっと動いておしまいみたいな。

メアリースーのような、
「他人に動いてもらう願望」のものでは、
主人公の行動は1%くらいになるだろう。

世界の設定を書いてて楽しいのは、
この罠にはまっている可能性が高い。
あなた一人が箱庭を作るのが楽しいだけで、
観客はストーリーが動かなくて退屈していることに、
なかなか気づかない。

だから、数値化して自覚してみるわけだ。

理想に近づけるようにしよう。
どうやったら設定を減らせるか、考えるのだ。

行動が設定になるように兼ねられるといい、
ということも、名作を研究すればわかること。
その場合それは展開に含まれて、
設定の分量が減るかもしれない。


あるいは、名作の、
設定している部分のみを取り出して、
自分の原稿と比較してもいい。
「たったこれだけでこんなに綿密に設定してるのか」
あるいは、
「ここ以降を捨てることで、設定の分量を減らしているぞ」
なんてことに気づけると、
勉強になると思う。

また、その設定部分は、
全体の中で何分あたりに多いか、
なんてことも見ておく。
前半部は設定が多い。
大きく行動したあと設定部が増えることは、
よくあることだ。


全体での、
展開と設定の分量を、まずは理想に近づけよう。
その為には、
どこを切り、どこを書き足すと良くなる?
posted by おおおかとしひこ at 00:04| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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