2021年01月14日

【配列】上段中指シフト後置「月林檎」

めんめんつさんの新作。
https://menmentsu.hateblo.jp/entry/2021/01/12/230614
中指薬指のホームは上段説は昔から言われていて、
月系にも上段キーでシフトするものはあったが、
後置シフトとは。


「ょ」を後置にすることで、
拗音以外のありえない組み合わせをシフトする。
月見草配列のアイデアを、いろは坂と同様に採用。

半濁音をマ行の濁音部に当てるのは、
行段系ローマ字でもあるアイデアで、
これによって濁音後置をパ行と兼用。

ざっくりいうと、
カナ配列設計のボトルネックとなる、
滅多に出ないくせに種類の多い拗音と、
滅多に出ないくせに例外処理の半濁音を、
それぞれ後置シフトと兼用した、圧縮原理だ。
なるほど、うまいことやった感がある。

記憶負担は、
50(清音46+、。っー)+゛+小書き9+半濁音5=65か。
月系より半濁音ぶんが多いが、
半濁音も濁音も2打に収める気持ちよさがある。

A横を使って左小指伸ばしも使い、
右小指伸ばしも2キー使い、
TYも使うことで、
単打を増やしていることが見て取れる。
普通シフト側だよね、なんてカナが表に出ていて面白い。


配字は先行するどの配列にも似てない感じがして面白い。
右薬指に「ん」「う」を振るのは珍しい。
小指の頻度も含めて、結構指が強い人用だろうなあ。
僕は使いこなせなさそう…
8指をフルに使って打っていくのだろう。

人差し指中指に日本語の骨格になるカナがあり、
薬指小指には何かにくっつくタイプのカナが多い気がする。
内側から外側へ流れる感覚だろうか。
薙刀式の考え方が、多少なりとも影響しているように見える。

「そもそもカナ配列は日本語文章を日常的に書くためのものであり、
タイピングゲーム攻略のためにあるのではない」
と僕はたびたび言うけれど、
配列の威力を示すのがタイピングゲームの結果しかない、
というねじれた評価が多い中、
日常使いに振っているのは興味深い。
そこそこの速度になった動画が楽しみ。


もう少し細かく見ていくと、
やはりアルペジオを沢山内包しているようだ。

【右手単打】
かい はい たい ない かん はん たん なん
いる たる なる する
か゛ は゛ た゛ す゛ ゛ん ゛ー ゛う

【左手単打】
とし のて のに とて くて
こと して これ みて
られ され らせ させ
みれ にれ のれ

あたりが目立つ。他にもあると思う。

また、後置シフトにしていることで、
単打→シフト文字をとりあえずアルペジオに出来る部分もある。
右手部の、
かよ たよ なよ たま かま なま
などは典型的。良く使う連接ではないかもだけど、
痒いところに手が届いて楽になっている感じがある。

左手は「ょ」とアルペジオになることで、
シフト文字とはいえ優遇されているカナがある。
り ち 。 わ け へ
あたりは単打とは言わないまでも打ちやすいシフトカナだろう。
おもしろい。


左右のシフトを非対称の役割にすることで、
配列図を読むことがなかなか難しいけど、
興味深い配列になっている。
打鍵動画まで練り上がるのが楽しみだ。


追伸)
配列図の詳細、「み」の左上の「みょ」が抜けてます!
posted by おおおかとしひこ at 14:46| Comment(4) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いつもながら、素晴らしい紹介記事をありがとうございます。
私でも気づいてなかったアルペジオが挙げられていて、とても参考になりました。
「みょ」はご指摘ありがとうございました。。
Posted by めんめんつ at 2021年01月14日 20:23
>めんめんつさん

どもです。多分色々アルペジオが仕込まれてそうだぞ、と思ったので多角的に見てみました。あとで気づいたけど、「です」の「゛す」とかもアルペジオですね。

二点ほど気になってるところ。
・「は、」はわりと出る連接だから、同指連打を避けるため、「、。」か「はく」を逆にするのはありなのか?
・「よう」もわりと出ると思ったので「よめ」の交換はありか?
 (後置だから気にならないかもしれないけど)
このへんは動画で動きごと確認しようかと思ってた部分です。
半濁音がらみの運指とマ行関連の運指はだいぶ違いそうなので、その辺も動画で見てみたいところ。
Posted by おおおかとしひこ at 2021年01月15日 01:25
ありがとうございます。
「た。」「す。」を交互打鍵にしたいため句点が左側になりました。
「は、」の同キー連打は嫌ではないということにしました。
「く」が右人だと「たく」「なく」が嫌でした。
「よめ」交換すると「う」「め」が同キーになり濁点シフトで「ヴ」「ぺ」がぶつかるので駄目でした。「よう」(LEL)がそんなに打ちにくいとは思ってませんでしたが、たしかにもう少し優遇できたらいいですね。
Posted by めんめんつ at 2021年01月15日 23:13
>めんめんつさん

なるほど、排他的配置の罠か…。
触った人なりの感想があるもんですねえ。
「ように」「ようの」「ような」あたりはよく出るので、
薙刀式でも「よ」シフト→「う」単打になるのがなんだかなあと思ってるので、
そこらへんを改良できるといいなあと思ったので。
「よ」は頻度的にはシフトなんだけど、
連接を考えると単打がいいんだよなあ。難しい。
Posted by おおおかとしひこ at 2021年01月15日 23:32
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