2021年01月21日

シナリオのコンクールを調べてみた

昔に比べてだいぶ減ったはず、という記憶があったので、
あらためて調べてみた。
いや、これはキツいな。全然ねえ。

以下が総覧するのにいいのでは。
https://www.scenario.co.jp/online/20548/


まともな賞金がほとんどない。
まともな賞金を出すということは、
それなりの制作予算もあるということ。

まともに90分作るのは数千万から億は必要だ。
それを考えれば、
トップの賞金でも高々500万は少ないよな。
(ちなみに映画脚本協会の最低ギャラは300だ。
手間を考えれば年二本を出し続けることは結構キツいよね)


芽がありそうなのは、

賞金500万
フジテレビヤングシナリオ大賞 50-65枚
テレ朝21世紀新人シナリオ大賞 100枚
WOWOW新人シナリオ大賞   70-90枚

賞金200万
TBS連ドラシナリオ大賞    第一話60枚と、シリーズ構成

制作費5000万用意
ツタヤクリエーターズプログラム 企画書10枚


あたりだ。
賞金100万50万なんて、
シナリオを書く労苦に比べれば、はした金だと僕は思う。

逆にいうと、
おもしろいシナリオが仮にあったとしても、
シナリオではない部分で興行するシステムが、
出来上がってしまっているということ。

○○主演や○○原作で客を呼べば回るから、
最低限書けるやつを探そうとしている、
という穿った見方もできる。

逆に最低ギャラ300以上出そうとしてるところは、
シナリオをきちんと重視しようと考えている、
と見ることが出来る。

それが年3賞とツタヤしかないのは、
なんとも寂しいものだ。

そもそもシナリオを読めるやつが審査員にちゃんといない、
という事情もあるかもしれないねこれは。



ゴールドラッシュがある所に行くべきだ。
その前にブルーオーシャンに進むべきだ。

シナリオというだけで考えるならば、
既にゴールドラッシュが終わった、
夕張炭鉱のようになっている業界に、僕には見える。

そもそも、そのシナリオ大賞とったやつって、
まともに面白い作品になってんのかな?
面白いシナリオ→面白いドラマや映画→みんな見る→おもしろかった
の流れがすでに途切れてるんじゃないかな。


シナリオのゴールドラッシュは、
かつてはゲーム業界に湧いたことがある。
ソーシャル課金ゲーになってそのラッシュも今は昔だろう。


じゃあ、ストーリーはいらないか?

くだらねえストーリーの映画やドラマなんて、
見たくもないだろう。
どんな世の中でもストーリーは一定数必要とされている。
システムが機能してないからといって、
ストーリーの供給が絶たれるべきではない。


第一締め切りがないと人は何もしないので、
これらに応募することを目的にしてみてはどうか。

日常に急に締め切りが現れると、
人は急に忙しくなるぞ。



ちなみに去年テレ朝の賞には送ってみた。
夏頃結果が出る。ダメ元でもあがいてみることだ。
おかげで、仮に落ちたとしても手元にいい企画が残ったし。

「当方企画アリ」の札を常に上げよう。
チャンスはそうやって掴む。
posted by おおおかとしひこ at 17:22| Comment(3) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
大岡さん

いつも興味深い記事の投稿ありがとうございます。
自分の記憶が正しければWOWOWのコンクールは既に終了したと思います。

テレ朝、大岡さんも出したんですね!

自分は去年のフジテレビヤンシナから
応募始めまして、テレ朝も出しました。

配信部門とドラマ部門で二本出しました(笑)
Posted by 解無後 at 2021年01月23日 16:34
解無後さんコメントありがとうございます。

そうかWOWOWはもう辞めたのか。
漫画原作やゲームシナリオも募集が減ってる気がするので、
今の商売の流れはシナリオよりキャラクターなんでしょうね。
課金ゲーなんてシナリオ適当でもキャラクターさえ良ければいいわけなので、
投資の集中はもはや行われないのでは、
と悲観的に一覧を眺めていました。

まあそれでも「面白い話」というのはいつでも必要なので、
腕は磨くべきですがね。
腕試し程度に出したので、ダメ元で次の企画を考え中です。
Posted by おおおかとしひこ at 2021年01月23日 16:53
大岡さん

返信ありがとうございます。

僕は自分で脚本書くときも、ドラマ、映画などで
人の作品を観る時もわりとここで論じられている
脚本論をベースにしています。

そういった観点で、フジテレビヤンシナの
大賞受賞作「サロガシー」を読んだのですが、僕は
この脚本論でいうところの、
「セットアップだけでおもしろいセットアップを
ぶちまけて展開をしない」作品というように
感じました。
お時間あるときに大岡さんに、この大賞受賞作を
読んで頂きたいです。
そして批評をお聴きしたいです。
こちらに食べて受賞作が掲載されています。


https://www.fujitv.co.jp/young/
Posted by 解無後 at 2021年01月23日 22:50
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