前記事と同じスタイルのレッスンをしてみよう。
まず最初にテーマPをモチーフQで象徴しておき、
P、Qをずらしていく、ということだ。
例でやってみようか。
「正義は悪に勝つ」を、
「白は黒を塗りつぶす」で表現したとしよう。
オセロみたいなことでもいいし、
旗みたいな表現でもいいかもしれない。
光が影を、という手もある。
夜明けはよく使われる手だよね。
ここでモチーフQを別のものにずらしてみる。
BLMという厄介なことは、
白と黒を禁止にするかも知れない。
まあそんなややこしいことを考えなくても、
単なる訓練として、やってみよう。
赤と青に変える。
まっすぐと曲がったものに変える。
コインの裏表に変える。
高いところから低い所に水が落ちるのに変える。
まあなんでもいい。
違うQを沢山思いつけばいい。
そのうちひとつのQを選ぼう。
「赤が青を塗り替えていく」にしてみようか。
これは逆に、なんのPを象徴し得るか?
を考えるわけだ。
共産主義が自由主義を打ち負かす
環境汚染によって海が赤く変わる(敗北)
挑戦者(赤コーナー)がチャンピオン(青コーナー)を倒す
情熱が冷静に勝る
女便所が男便所を駆逐する
赤い血の者が、青い血の者を撲滅した(民族浄化)
まあ、なんでもいい。
思いつくままでいいと思う。
で、またPを一つ選び、これはどんなモチーフで表現できるか?
というQを沢山考える。
最初は正義と悪の戦いだったけど、
だいぶん異なるPやQになるだろう。
これは発散的発想なので、
なるべくバラエティに富んだ体系を作ることが望ましい。
で、これを何ターンもやると、
あるPを象徴するのに、一番ベタなQと、
Qが出てくりゃ大抵よくあるテーマP、
という、「ベタな組み合わせ」を見つけることが出来ると思う。
他の何かよりも、それがしっくり来るということは、
余計な誤解エネルギーがない、
効率の良い表現方法だと言えるわけだ。
逆に、バラエティを出す為に書いてはみたものの、
無理がある組み合わせもあるだろう。
さすがにPをQで表現したとしても無理があるとか、
QでPを読み取るのは無理だというものもあるだろう。
その、ベタと無理の間に、可能性がある。
多少の説明を加えれば、
PとQの、
これまでなかった組み合わせになる可能性が高い、
というものには可能性がある。
どこかに似たものがあるならば、
連想として使えるかも知れないし、
パクリに見えて却下かも知れない。
にしても、
「新しい」「(ある程度)しっくり来る」
の両方を満たすPとQが、
複数見つかる可能性はある。
ならば、
それで短いプロットを組んでみるといい。
前記事のアイデアを1、2個持ってきて、
短い話としてまとめてもいいよ。
あなたが書きたかったテーマPや、
あなたが書きたかったモチーフQではないにせよ、
ある程度まとまった、PQのストーリーが作れると思う。
僕は、それでいいと思う。
書きたかったPやQなんて、
よほど手垢がついている。
まだ描かれていないPやQならば、
必死でもう一個のペアを探すべきだけど、
うまくハマるものがあるとは限らない。
そういうときは、少しずらして、
ハマるPQを探していくのだ。
今書いてる話は夢(希望じゃなくて、眠る時に見る方の)についてだが、
それはモチーフで、
実際には他人との共存がテーマになった。
それは、「夢は主観だから」ということと関係するわけだ。
夢みがちなやつは世界を主観でしか捉えていない、
という批判に落とし込んだわけ。
僕は夢Qという道具を使って、
Pを書きたかったかというと、
最初からそうではなかったが、
出来上がってみればしっくり来る、
PとQの関係になったと思う。
最初から、ガチガチにPQだけを考えると、
手詰まりになる。
もっと広い範囲で許容を考えるとよい。
特に長編では、ネタバレが早すぎるとかもあるので、
途中で調整、変更もあるだろう。
短編ならそういう事故はあまりないから、
最初に大枠決めてさっさと書くことだ。
「ああ、このQならPという話が書けそうだ」
「ああ、PをQで表現したら面白いぞ」
という枠組みは、
スタート地点でやっておくべきことだ。
そうじゃないとブレるからね。
色んなパターンを知ってないと、
それは思いつけない。
それには、試行錯誤や、成功や失敗が必要だ。
ということで、それはやろう。
途中で面白そうなPQを思いつけばそれもラッキーで、
それはアイデアノートにストックしておく。
定期的にこれをやると、
色々なマリアージュを考えつけるようになる。
2021年01月23日
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