2021年02月08日

中国人とは何か(「イップマン3」評)

サンフランシスコの移民中華街、という抜群の舞台。
移民という現代に通じる問題を、カンフーを通じて描き切る。
まさかカンフーものでここまで歴史ものとして傑作とは思わなかった。
当然弟子ブルースリーは噛んでくる。
でもあくまで香港人としての、イップマン(葉問)の物語の完結編。

ここで下がったら中国人じゃない。
これがすべてだ。
アメリカ人は今回悪役だが、
どの民族にもこの誇りはある。
民族とは何か、個人の人権と民族の関係。

いまBLMや強い中国で揺れる世界に、
イップマンが答えを出す。
なぜ武術を始めたのか?
不公正を正すためだというそのセリフを聞き逃すな。

鏢指(ビルジー。指先での攻撃)は詠春拳の最高奥義。
三部作で初めてこれを使う。使った後のなんとも言えない表情。

木人を焼き払う海兵隊の絵が素晴らしい。
劇場で見たかった。やっと見れた。
歴史とカンフーは、こんなに相性がいいんだな。
いつか日本の時代劇で、こんなことを出来ないだろうか。
posted by おおおかとしひこ at 14:05| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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