2021年02月08日

【薙刀式】速さとは何か

「思いが文字になるまでに、
無駄や抵抗がなるべくないこと」
だと僕は思う。


僕の考える無駄や抵抗とは、
具体的に以下のようなものだ。

・遠いキーに手を伸ばすこと
 (4段目、標準位置のBS、エンター、カーソル、
 また、QTYPなども)

・弱い指をたくさん使わざるを得ないこと
 (qwertyのA、ショートカット用のCtrl、BS、エンターなどを、
 小指で打つこと。また薬指の多用)

・一つのものを出すのに段階が多いこと
 (ローマ字ではどんなにロールオーバーしたって2アクション。
 これよりも1アクションの最短手にするべき。
 日本語は5文字7文字が基本単位だというのに、
 それを5アクション7アクションで書けるべき)

・ひとつの指の担当が多すぎること
 (小指薬指中指は3キー以内、人差し指は6キー以内、
 親指は2キー以内が限界だと僕は思う)

・扱う構成要素はなるべく少ないこと
 (清濁別置などはボタンの多い操作系で、
 僕は脳の負荷、抵抗が大きいと感じる)

・指の動線に無駄があること
 (究極は、次の音がアルペジオで隣にあり続けること)


あるいは、物理では以下のような抵抗がある。

・重い押下圧のキー
・指にダメージがあるほどの底打ちの硬いキー
・左に捻り、腱に疲労を蓄積する左ロウスタッガード
・指は立体的な動線にも関わらず、平面のキーボード
・姿勢が合っていない環境
 (ディスプレイの高さ、手首の高さとパームレスト、
 椅子と机の関係)
・肩を狭くさせる一体型キーボード
 (左右分割がベターだ)

物理の要素は、5000字以下/日ではあまり効いてこない。
それ以上毎日書くならば、数日単位で効いてくるファクターだ。


これらの抵抗は、
思いを文字にする速度を落とす要素だ。

脳波入力があれば問題ないが、
物理キーボードは指との関係を捨てられない。
この抵抗を、僕はなるべく削ぐべきだと考えている。

それが最も削がれた状態が、
最も速いと考える。

その人の指はそのままだとして、
その無駄を省くことが、速さだ。
つまりそれは自分から見て相対的である。


他人との絶対的な比較に、僕はあまり価値を感じない。
それはメソッド同士の対決ではなく、個人の対決だ。
僕の指はタイパー並みのkouyさんやtkenさんに敵わないと思うけど、
新下駄や月光に薙刀式が、
タイプウェルのスコアほど負けているとは思っていない。

薙刀式はこの遅い僕の指の、無駄を最小限にしている。

新下駄や月光を僕がマスターして、はじめて比較の土俵になると思う。
(そして相性がある以上、新下駄や月光を薙刀式ほど練度をあげられる自信がない。
ほんとはやってみたかった)


マクラーレンのセナとフェラーリのプロストでは、
セナが勝った。
しかしマクラーレンが勝ったとは言えない。

マクラーレンがフェラーリより優秀だというならば、
無駄や抵抗がどれだけないのか、
示さないと議論にならない。
使い手に左右されない部分を議論するべきだろう。
セナ足を全員が使えるわけではない。


人類最高速度を出すことに、
僕はなんの興味もない。
人類最高の物語を作ることに僕は興味があり、
その思考の速度に抵抗や無駄を付けたくないだけだ。

qwertyローマ字とJISカナは、
無駄ばかりで抵抗が大きすぎる。
服を着て泳ぐようだ。
僕は、競泳水着を手に入れたいだけだ。

それから速いかどうかは、全部僕の力になるだけだ。



速さとは何か?
タイムではないと僕は思う。
ある程度の指標にはなる。
しかし個人の中での比較に意味はあるが、
他人との比較に意味はなく、
タイム的勝利敗北が、即メソッドの勝利敗北とは、
関係がないと思う。
qwertyが勝った、JISカナが勝った、ではなく、
miriさんとMullerさんのどっちが勝ったか、に過ぎないと僕は思う。

薙刀式は、
物語を書くための競泳水着である。
服を着たまま飛び込んだら、そりゃ溺れてたどり着けないよ。
それでもスイスイ泳げる人もいるだろうがね。

何が無駄や抵抗になるかは、
個人によって異なる可能性が高い。
qwertyで最速を目指せる人はそれでいい。
だが、だからqwertyは全員がやるべきというのは、
間違っている。


ゴールに辿り着くために、
無駄と抵抗を減らすこと。

薙刀式はそういう風に出来ていると思う。


先日2000字(変換後)/10分の領域に手をかけた。
そこで思ったことだ。
僕の思考はそれより速いっぽい。
まだ無駄は減らせないか、継続して考える。
posted by おおおかとしひこ at 16:16| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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