予告で見て気になってたフランス映画。
ミステリー。
世界的ベストセラーの完結編が出る。
世界各国同時翻訳を目指して、
流出を避ける為に地下シェルターに閉じ込められた、
9カ国の翻訳家。
だが三日目、最初の10ページがネットに流出。
大金を払わないと次も流出させると脅迫がある。
犯人はこの中にいるはず。
密室スリラーの変形、このシチュエーションが抜群に面白い。
ネタバレなしで。
まあ当然色んな事情を抱えた、
曲者揃いの9人の翻訳家なわけですよ。
そのキャラ分けが見事。
中盤、事件の二転三転が抜群。
しかも「二ヶ月後」の時間軸を同時進行させて、
犯人が捕まったあとの時間を進行させ、
しばらくその顔を伏せてるのが面白い。
これによって緊張が保たれるのが実にうまい。
そしてミッドポイント、
そのさらに過去の時間軸で…
実にモダンな構成の、
頭脳戦の逆転スリラーとでもいうべきか。
デスゲームとはジャンルが異なるものの、
密室を使ったそのジャンルに近いかな。
これを自分で書くことを考えたら、
かなりの手腕が必要だろう。
前半のミスリードが実に見事。
で、テーマは文学を愛することとは、
みたいなことにきちんと落としてきて、
ベストセラーってなんだろう、
みたいなことに持ってくる巧みさがある。
この最初のシチュエーションはなんと実話らしい。
9人翻訳家がいたかどうかは不明だが、
この面白げなシチュエーションを借りてきてからの、
「流出と脅迫の犯人探し」を思いついてから、
ここまでの見事なシーソーゲームを、
構築できる?
その剛腕ぶりの教材にぴったりの秀作。
だけど、ラスト近辺、悪役を悪く描きすぎたかな。
その辺が評価の割れるところだろう。
2021年02月15日
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