トイレの個室が空いてることをアナログで解決した賢い方法。
少し前に広まり、ようやく身近でも見るようになってきたようだ。
https://mobile.twitter.com/kinohshi/status/1362334726598483968
興味深いのはレスにある、
これをデジタルで管理しようとした阿呆なケースがあったこと。
引用すると、
> 豊洲の某インフラ企業(行政下請け)は、トイレにITを取り入れて、使用中と使用時間を社内ネットワークで確認ができるようになってた。 しかも、女性には配慮されていて、女子トイレは使用時間が表示されないw 工夫するのソコじゃねー
使用中かそうでないかは、
単純な電気接点型のスイッチでいけるだろう。
それらを読み取り、ネットワークをつくり、
どこかに転送して使用状況をITデータ化して、
さらに女子は使用時間がないような仕様にたどり着くために、
何回の会議と作り直しがあったのだろうか?
しかも「出来上がってテストしてみないとどういうものか分からない」
だろうから、そのテストを何回したのだろう。
さらに、そのシステムを埋め込んだあとの、
メンテナンスの問題があろう。
水回りだから劣化は早いし、
スイッチがいつ故障するかは読めない。
悪意でそのスイッチを壊すやつだっている。
交換コストは電気工事のおじさんが必要で、
その出張コストもバカにならない。一日10万円くらいからだろう。
トイレのレイアウトを新しくしたら、
またこのシステムに手を入れて再実装しないといけない。
デジタルは手間がかかる。
本体の実装は手間がかからなくても、
実装に至るまでの会議や議論の数(要件定義というそうな)と、
その後の保守にだ。
それに比べてアナログは、
テストは紙とテープで出来てデモンストレーションは二秒で済むし、
その場で札の大きさや色を決めることさえできる。
あとは一時間もあれば、
100均で集めた材料で作れると思う。
東急ハンズで集めても一万円かからんだろう。
コスト。
それは「作り始めてから完成までのコスト」だけではない。
「こういうものを作ると良いのでは」
「それはこのような形であるべきでは」
「じゃあ作ってみていいですか」
までにかかるコストと、
「壊れたんですが」以降のコストがある。
Windows7で作ったら10に移行しないといけなくて、
またそこにもコストがかかるだろう。
それはほとんど永遠にだ。
デジタルの弱点はここだ。
これがある限り、
「それはデジタルで作るべき?
アナログで作るべき?」
の議論が、事前に必要だと思うんだよね。
いまデジタルが「すごい」みたいなムードがあるから、
デジタルだと何でも金が動くので、
それで儲ける(詐欺でも)という戦略はあるかも知れない。
そのうち「デジタルってめんどう」ってのが浸透してくると、
「アナログの方が便利。モノによるわ」
という真実が浸透するだろうな。
それまでは、デジタル業者が詐欺で儲けるだろうが。
デジタルってほんとに人を幸せにしたのかな。
アナログが出来ないことは得意かも知れないが、
そのせいで、人類が近視眼の盲目になっている気がする。
アナログだったらそんなバカなことをしない、
ということに、よくデジタルは陥る。
アナログは「つくる」が目の前にあるけど、
デジタルはどこか別の空間にあって、どこまでも触れない。
その距離感に慣れた人なんて、
デジタルづくりに慣れた、一部の人だけだ。
多くの阿呆は、
「扉が90度開くんだから、そこに札つけりゃいいんだよ」
に気づかないままだったのだ。
デジタルでもそのような盲目になっていることは確実だろう。
デジタルは、
人の阿呆さを浮き彫りにする。
心得がある人間なら、
このトイレシステムをハッキングして、
トイレの前の監視カメラもハッキングして、
誰が何分女子トイレにいたか妄想して、
楽しむこともできる。
そのハッキングを防止するためのセキュリティウォールを作らなければならない。
100均で済むものなのに、阿呆の協奏曲がはじまるわけだ。
アナログの解決策はあるか?
デジタルの方が有効なのはどういうときか?
こうした議論が会議の前提にない段階で、
その船は確実に迷走していくだろうね。
2021年02月19日
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