2021年02月26日

ゲートを突破する

どの段階でも使える展開のネタ。
どこか目的地へ行く必要がある、
しかしそこにはゲートがあり、
それを突破しないと先に進めない、
というものをつくるとよい。


文字通りの門があり、
物理的に突破できなくてもよい。
門番(ゲートキーパー)がいて、
彼らを攻略しないといけない、
という風にしても良い。
(犬でもいい)

検問もよくある手だ。
坂道や物理的に険しい道でもよい。
吹雪や嵐でもいいぞ。
スフィンクスならなぞなぞを出してくるよね。
それを解かないと進めないわけだ。

「俺を倒してからでないと通さん」という強いタイプでもいいし、
知恵ととんちで突破してもいいし、
設定されたルールを破る臨機応変さで突破してもいい。

障害とそれを突破する方法はペアである。
それが面白ければ、展開のひとつのネタになるわけだ。

もちろん、なんでもいいというわけではない。
ランダムに選ばれた適当なゲートと突破のネタではなく、
それがサブテーマに関係しているとか、
それがテーマの裏になっているとか、
前の伏線がここで解消するとか、
これが伏線になって先の場面でどんでん返しになるとか、
ここで仲間割れをすることで、ストーリーの転換点になるとか、
ここで誰かが死ぬことで、転換点になるとか、
ストーリー構造の何かと関係したほうが、
より関係の糸は複雑になり面白くなる。

たかがゲートだけでなく、
それはストーリーの一部になっていると面白いわけだ。

単純に、ゲートパズルの出題と回答という関係ではなく、
ストーリー展開の一部になっていると、
パズル的な楽しみと、ストーリーの楽しみとが両方あって、理想的だろう。
どちらかだけでは、中盤は物足りなくなってしまう。

もちろん、中盤だけではなく、
序盤の何かにも使える。
序盤だと、その突破の仕方で性格や能力のセットアップになるかもしれない。
中盤だと、その発想の転換や、前の伏線の使い方で、
登場人物たちをもっと好きになる瞬間がくるかもしれない。
何かしらの見せ場になることも考えられるわけだ。
終盤のクライマックスの一部にこうしたゲートを設定して、
ラスボスの前座を作ることも出来るわけだ。


「中盤は障害の突破である」などとよく言うが、
分らなくなったら、
こうしたゲートをつくってもいいのだ。

「セックスしないと出られない部屋」というのは、
一種のゲートである。
これを思いついた人は天才だと思う。
(元ネタを調べてみたが、2013年ごろのツイートのネタであって、
二次創作的な妄想ネタで流行したらしいが、
その前に何かの元ネタがあったかどうかは不明らしい)

「四天王がいるところを次々に突破していく」
の元ネタはブルースリーの「死亡遊戯」であろうか。
ジャンプで死ぬほど使われていたネタだが。

こうしたよくあるゲートを持ってくるよりは、
新しいパターンのゲートでも思いつきたいものだ。

問題と解答を用意するという点では、
クイズ作家と似たような発想力がいるのかもしれない。
そして、当たり前だが、
ただのクイズ場面ではなく、
それがどうストーリーと関係しているのか、
ということを発展させないと、
ストーリーの中のゲート、という意味にはならないと思う。

そのゲートはどういうものか?
どうやって突破するのか?
その展開中に、
ストーリー的に大事なことが起こるとしたら何か?

展開に困ったら、
あるいは引き延ばしたかったら、
多重にゲートを設定してみるのも、
悪くない手だ。
そのゲートや突破が面白くないと面白くないけどね。

「必殺技が破られたので、
特訓して新必殺技を会得する」
というのは鉄板ネタのひとつだが、
これも「必殺技が破られた」というゲートにぶち当たっている、
という見方だって出来る訳だ。

ゲートは物理的な形をとる場合もあるし、
とらない場合もある。
色々なパターンを考えればよい。

赤外線で宝石が守られているところを、
リンボーみたいにしてくぐっていく怪盗は、ルパンが最初かなあ。どうだろ。
そんな新しいゲートを作ってみるのも、面白いと思う。

ミッションインポッシブルで、
悪いやつの指紋認証のゲートがあって、
その悪いやつの指を切り落としてそれで突破するという、
気持ち悪く胸のすくシーンがあった。
こういう発明は、小ネタだけど大事だと思う。
posted by おおおかとしひこ at 00:52| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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