2021年02月28日

設定は、噛み合わせる為にある

話が進まなくなったら、設定を利用して噛み合わせるのだ。
逆にいうと、噛み合わない設定なら、
噛み合わせるように変更するのだ。


ストーリー進行の都合で、
人物の設定Aを使いここを乗り越える、
という風に考えるとする。

しかしBということにしておかないと、
これを乗り越えることが出来ないとしよう。

じゃあBに変えちまえばいいのだ。
最初からBだった風にして、
最初から書き直して、
ここをクリアしてしまえばよい。


趣味のことが必要なら変えてしまえ。
父が死んでても生きてたことにしろ。
足が速い設定ならなしにしろ。(怪我をさせてもいい)
これを知らないなら知ってることにしろ。
初対面なのを、どこかで既に会ってた設定にしてもいい。

後付けで設定を増やしてもいいし、
過去を改変してもいい。
出生の秘密をつくってもよい。

ストーリーの為に人物がいる。
人物の為にストーリーがあるのではない。

ストーリーが面白くなるように、
設定と突破を噛み合わせるのだ。

設定はすなわち伏線で、
今ここはそれを解消する場面だ。

そう思えば、こういう伏線だったら良かったのに、
と理想の伏線を思いつけるはず。
だったらそのような伏線にリライトするのである。


設定が変わったら本筋に影響があるならば、
脇の細かい設定を変更すれば良い。
兄がいることにするとかだ。

自分の作った人物だ。
作り変えてよいのだ。


面倒なのは他人のキャラクターだ。
変に変えるわけにいかないからね。
預かるとはそういうことだ。
人気スターもそうだね。
キャラ設定を変えるわけにはいかない。
(変えることを望む人もいる。
本人が望んでも事務所が変わることをNGとしたりね)

原作ものや当てがきでは、
キャラ設定ありきになってしまい、
ストーリーが弱くなる傾向がある。

それはなぜかというと、
ストーリーの為にキャラをいじれないからだ。

つまり、
ふつうは、ストーリーの為にキャラを変える。

キャラクターは可塑性があり、
ストーリーも可塑性がある。
二つを練り合わせて、
うまく噛み合わせるのが進行というものだ。

このストーリーを突破していくのは、
どういうキャラクターが面白いか?
このキャラクターが突破していくのは、
どういうストーリーが面白いか?

その二つの両輪を、色々変形して、
ベストを模索するのは当たり前のことだ。

キャラを固定してしまったら、
そもそもストーリーは死ぬんだよ。


頭から尻まで、キャラが矛盾してなければ問題ない。
そのようにリライトして整えればね。
連載物では途中で設定が変えられたりして、
ああ、苦労してんだなと思うことは稀によくある。
しかし映画は所詮短編だ。
ストーリーに一貫したキャラクターがぶら下がるように、
うまくリライトすればOKだ。


人気キャラクターになるかどうかは、
設定ではなく、
ストーリーをどう突破したかだ。
BeではなくDoがキャラクターだ。

そのDoの為に何が必要かを逆算で設定する。
長い長い導火線に火をつけておき、
今この場面で爆発させる感覚だ。

火がなくて爆発できないなら、
ずっと前から導火線があったかのように改変するのである。
posted by おおおかとしひこ at 00:21| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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