2021年03月05日

転調

音楽で常識的なこと。
同じリズム、調子だと飽きられるから転調をする。

音楽と同様、時間軸のメディアであるところの映画が、
気にしないわけがない。


転調ポイントはどこか。
それをターニングポイントという。

それはシーン全体、
ないし一点(セリフ、動作、カット)で定義され、
これまでずっと追いかけて来た焦点が、
全く別の焦点になるポイントのことだ。

あるいは、
ターニングポイントがなくとも、
強引に場面を変えて、
別のプロットラインを始めても良い。
(もちろんそれは、前の焦点を追ったものと、
いずれ交差すると思ってるからみんな観続けるのだが)


勝利の状況から敗北への転落、
リズムが速いものから落ち着いたものへの転換、
明るいものから暗いものへ、
危険なものから安心なものへ、
シリアスからコメディへ、
喜劇から悲劇へ、
準備段階から実行段階へ、
などなど、
ストーリーにはさまざまな調子の転換がある。

仮に、その転調ポイントで、
流す音楽を変えることも考えられる。
全編音楽が鳴るとして、
転調ポイント以降はどんな音楽になるだろう?

そして全編を通したプレイリストはどのようなものか?

似たようなものばかり並んでいるのは、
退屈な証拠だ。
それらがバラエティに富めば富むほど、
転調の効いたナイスDJだということである。


転調するのは、原則飽きる直前である。
飽きてからでは遅いし、
まだ味わいたい時に転調すると、分かってないなあと思われてしまう。
映画は音楽だと思うと、
タイミングが重要だとわかると思う。

タランティーノは自分でプレイリストを作って、
編集の参考にするそうだ。
そこまで音楽に詳しくなくてもいいが、
たまには真似してみるのもいいぞ。

知ってる限りの音楽を並べて、
その中からたとえば10を選び、
アルバムを作ってみたまえ。
それはどんなストーリーになるだろう?

そんなところから、
「次書くべきものはなにか?」
の答えを探すこともできるぞ。
posted by おおおかとしひこ at 00:03| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。