指の感覚というのは、人によって違うと思う。
僕の感覚を薙刀式には反映させているので、
僕と近い指の感覚の人は薙刀式が使い易いだろう。
といってもそんなに特別なことじゃなくて、
多くの人に共通のことが多いだろうけど。
1 人差指が一番重視。
出来ればこれだけで生きていきたい。
2 中指はその補助の指。
出来ればこの二本計四本で暮らしていきたい。
3 親指は和音のようにシフトとして使う感覚。
4 薬指は右手のみ信用して、中指の補助。
5 左薬指は最弱候補。右とは非対称性がある。
6 小指はなるべく使わないし、耐久性も信用できない。
薬指以降を信用していない、というのが、
これまでタイピングを鍛えてきた人には常識外かもしれない。
しかしタイピングをとくに鍛えて来なかった人には、
小指や薬指をよく使うなんて、
一生のうちでやってこなかったことだと思う。
親指を和音のようにシフトに使うのは、
基本的には親指シフトの考え方に賛成しているからだ。
しかし、同時であるべきか疑問に思い、
連続であったほうがベターだと思って、
現在は通常シフト方式に落ち着いている。
最も直感的で使い易いと今は評価している。
連続シフトは、配字を練るうえで重要な要素だ。
シフト面でアルペジオを組めるのが大きなメリットだね。
右人差指>右中指>左人差指>左中指
の順で重視している。
左人差指は右中指より優先度が低いと思っている。
右利き専用で考えたので、
左利きの人は反転して使ったほうがしあわせになれそうだ。
それぞれの指で重視したカナは以下。
【右人差指】
あ 人間が第一に放つ、原初の音を第一ホームキーとした。
た 断定、過去、と強い意思を伴うカナは、
利き手人差し指で責任を持つべきだと思う。
の たとえシフト側であっても、
接続でもっとも大事な助詞になるものはこの指担当とした。
主格の「が」と並び、重要な繋ぎの助詞は人差指。
。 句読点はともに人差指。
BS カタナ式以来の伝統。第一指でBSするのはとても楽だし、直感的。
エンター(左人差指と同時押し) エンターも同様。
候補選択 TYで候補選択するのは、人差指で候補を選択したいから。
濁音同時押し、半濁音同時押し
清音の変化音として濁音、半濁音を考えている。
親指との同時打鍵もあり得たが、
より器用な人差指でやったほうが楽だったので。
濁と半濁の使い分けも、人差指のほうが器用だと思った。
な 「ある」「ない」の対になるアルペジオのため。
とくに人差指である必然性はない。
くやおさ 他との調整の結果ここにいる。
くは「ょく」の連接の考慮の末。
【右中指】
い 第一音「あ」の横、第二音としてここに置いた。
もちろん、「ない」のアルペジオでもある。
る 「ある」のアルペジオのため。
ん 三大頻出カナ「い」「う」「ん」のうち、「う」を除き右中指とした。
人差指に当てなかった理由は、いうんのどれも補助的なカナで、
本質的なカナではないと感じたから。
よ 日本語で一番出る連接「ょう」のアルペジオのためにここにいる。
も 「の」に比べて補助的追加的な助詞「も」に使うイメージでここ。
「もの」の連続シフトも意識している。
む 消去法でここになっただけ。
【左人差指】
か 濁音同時でFJで主格の一番大事な「が」を打つためにここにいる。
こ 「こと」のアルペジオのため。
「これ」を指さす感覚で人差し指に「こ」を置いた。
し 「して」のアルペジオのため。
また一番使う拗音はしょしゅしゃなので、人差指で制御しやすくした。
ま 「ます」を人差指から流しやすくしている。
っ 「って」「っと」「った」からの逆算。
そ それ、これを並べて打ちやすくしているつもり。
これに比べて他人事なので伸ばし位置。
、 。と同様の考え方。
めちみ 他との調整の結果。
【左中指】
てと 「して」「こと」のアルペジオからの逆算でここ。
「て」は繋ぎのイメージで中指に、
「と」も並列なので補助的な役割だと考えて中指に。
は 主格の格助詞だが、「が」に比べて客観的な格助詞なので、
人差指より格落ちの中指にしている。
を 目的を示す格助詞だが、人差指が一杯なので結果的にここにいる。
(B裏だったときもあった)
りに 他との調整の結果ここ。拗音同時押しの被りで重要な位置。
「に」は助詞「と」の裏なのは意識していて、
助詞関係はなるべく左手の二本指に入っているイメージ
(が、は、を、に、と、て、で、には、では、まで)。
【右薬指】
う 何かのあとにくっついてウ音便になるイメージがあるため、
中指の補助のイメージでここに。
す 「する」のアルペジオのためにここ。
らえわふ 他との調整の結果ここ。
ただし、「ふ」は外来音、
ファフィフェフォフュを打つことを前提としてここの位置。
つまり、これら以外はほとんど他との調整の結果に過ぎない。
コアなものは、
【右人差指】あたの。BSエンター候補選択゛゜
【右中指】いるんよも
【左人差指】かこしまっそ、エンター候補選択゛゜
【左中指】てとはをに
【右薬指】うふ
【親指】シフト、変換、空白
ということだ。
これらが薙刀式で特有の位置を占めていて、
あとはぶっちゃけ調整した結果、ということが言えると思う。
編集モードも同様で、
特に使う機能や記号は人差し指と中指に集中させ、
補助的なものが右薬指にある感じだ。
そもそも起動は人差し指+中指の2キー押しっぱなしだし。
右手が機能系、左手を記号系と割り切ったので、
扱いもしやすいと思われる。
何を重要なカナ、指、機能だと思い、
何を重要でないと思うかは、配列によると思われる。
しかしこれまでの配字の基準は、
・左右交互になるように(同手連打を避けるために)
左右を振り分ける(新JIS)
・頻度の順にホームからならべていく(親指シフト、新下駄、などなど)
・ある程度本質的なものをホームに並べ、
アルペジオや連続シフトを意識しながら並べる(飛鳥)
・漢語の第二音を右手にすることで漢字を左→右にする
(親指シフト、新JISなどの多くの配列)
・濁音になるカナは左手、゛は右手(JIS、新JIS、月)
・シフトキーからのアルペジオを重視(下駄、新下駄、月系)
などのような方針であり、
「日本語で本質的なカナを人差指、中指に当てていく」
という設計方針はあまり聞いたことがない。
まあ、何が本質的か/本質的じゃないか、
というのは異論の余地がありすぎるというのは認める。
しかし僕個人の感覚で責任を持つことで、
結果的に薙刀式は日本語を随分つづりやすくなっているのではないかと思う。
もちろん万能ではなく、偏っている部分もあるだろう。
薙刀文体というものが生まれる可能性もなくもない。
かつて飛鳥でも飛鳥文体があるのではないか、
と言われた部分だけど、実際どうなのか、
そのへんの検証は行われてはいないだろう。
ある程度の数をそろえて、
人による影響と配列による影響を分離できる程度でないと、
調査にならないからね。
今後薙刀式の使い手が増えて、
みんな似たような文章を書くのなら、
薙刀文体がある証拠になるかもしれない。
(少なくともeswaiさんと僕の文体は違うと思うなあ)
まあ、翻訳調とか、新聞調とか、フジテレビ調とか、
霞が関文体というものがある以上、
筆記具や業界によって文体が偏るのはよくあることだ。
気を付けるべきは書き手だと思う。
薙刀文体がもしあるとして、
そこに誘導されるのが気に入らない、
あるいは自分の文体や指の感覚が薙刀式に合わないなら、
別の配列を使えばいいと思うだけだ。
薙刀式は、ということで、指ごとの意識というものがある。
これから使う皆さんは、意識してみるとマスターしやすいかもしれない。
2021年03月06日
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