配列の作成は、初期値敏感性のある、
カオス理論的な感じがとてもある。
自分の場合も、他人の配列作成記録を見ていても、
大体、
・骨の部分はすぐ決まる。
これがあとあと変わることはほぼない。
おそらく、この骨の部分がいい感じなので使い始めて、
骨以外を骨に合わせていくため。
・それ以外を決めるのに、ものすごく時間がかかる。
マイナーカナをどこに置くかに時間をかける。
骨の部分に動きが合うようにつくりたいが、
特等席が売れているから、どこまで妥協するかの戦いになるからかも。
のような傾向がある。
骨なんて数日でできるのに、
最後のマイナーカナの工程に何ヶ月〜何年もかかる、
なんてざらだ。
薙刀式の例だと、
ある日、
○○○○○ ○○るす○
○○○○○ ○あい○○
○○○○○ ○な○○○
を突然思いつき、
○○○○○ ○削るす○
○○○○○ ○あいうー
○○○○○ たなん○○
まで即決して、
○○てし○ ○削るす○
○○とか○ くあいうー
○○はこ○ たなん○○
まで来るのに数日。
○○てし○ ○削るす○
○○とかっ くあいうー
○○はこそ たなん○○
あたりが単打面の骨になる。
同時進行でセンター連続シフトに決めて、
シフト面を、
○○り○○ ○○よ○○
○○にま○ ○のも○○
○○を、○ ○。○○○
に決めるまではそんなにかかってない。
あとは、ほかに○に入るものを延々やることになった。
濁音同時押しは最初からFJ(中心)で、
最初の並び替えが終わった時、
拗音同時押しを思いつき、
排他的配置という強い制約条件を設定、
再調整してバージョン1になった。
ここまで数週間もかかってないかも。
つまり、ほんとの骨ができるまでは数日で、
それ以降に三年かけている。
途中、骨格に関わる「は」の移動を試したが結局はもといになったし、
エンターやIMEや編集モードのホットキーは、
最初期のものからUS配列に移行したときに変えて、
それも現在の骨になっていると思われる。
もし最初の一手が異なれば、
まったく違う配列が出来ていたと思う。
そういう意味でカオス理論的だ。
初期値敏感性がすごくある。
創作に似ているかも知れない。
「あ、これ行けそう」という芯がひらめきとしてやってきて、
あとは延々そのディテールを、
ああでもないこうでもないと作っていく感じがね。
ものづくり全般そうなのかも知れないが。
色んな配列作者が、
それができるまでの記録を残しておくと、
「その配列の骨はどこか」みたいなことがあとで分かるので、
とてもいいと思う。
飛鳥はマイナーな○のすべての微調整に何年もかけた。
半濁音やマイナー濁音まで、運指を徹底して一番いいものへと収束したはず。
一方新下駄は「マイナーな○はそれほど大差がない」
と割り切り、ある程度のところで打ち切ったような気がする。
薙刀式の場合、ひとつのカナを動かすと排他的配置が全部影響があるので、
むしろ自由度が少ないので、
わりと早めに現在形に辿り着けた可能性もある。
僕がJISカナを信用しないのは、
骨が見えてこないからだ。
「これはこのような手の動きをメインとする」
が見えてこないのだ。
もっともJISカナはサイドメソッド想定だから、
そもそも「手の動きと言葉のシンクロ」は、
新配列以降の考え方かもしれない。
最初の一手が違うと、全然違う配列になるんだろうな。
それが一人ひとつの思いつきなのか、
沢山のバリエーションがあるかは不明。
でも2、3個までしか作らない人が多いので、
個人の感覚というのは、
一人の人間の中で大体同じなのかも知れない。
今のところ薙刀式の骨の部分が気に入ってるが、
他の一手が閃けば、何かつくるのかも知れないなあ。
2021年03月14日
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