2021年03月18日

止まらない列車

なぜ日本は太平洋戦争に負けたのか?

偉い人「(作戦を)また一からつくり上げるのは困難」

これは80年前の言葉ではない。
佐々木宏の辞任を受けた、昨日今日の橋本会長の言葉だ。


え、企画考えるだけなら三日もあればできるけど?

なんで一から作り上げることが困難なん?

「作る」とは、各方面の根回しとかってことか?



司馬遼太郎は生涯のテーマ「なぜ日本は太平洋戦争に負けたのか?」
を追求して、ついにそれを書かずに作家生命を終えてしまったという。
資料魔で有名だった司馬遼ですら諦めた、
彼の人生最大の謎。

僕は太平洋戦争はリアルタイムじゃないが、
今この状況が、たぶん80年前にあったのだ。

海軍だろうが陸軍だろうが作戦を立て直すことなんか3日でできるわ。
状況の変化に対応して作戦を変えるのは戦いの基本だろ。

もう過去の作戦が通用しない状況において、
「前の作戦を微調整して使えないか」
と考えるのは、
「すでにパチンコで100万使ってしまったから、
勝つまでやめられない」
状態のギャンブル狂とおんなじやんけ。


情報収集も作戦立案も部下に任せて、
「殿、ご決断を」と迫られるシステムに問題がないか?
なぜ殿が自分で情報収集して作戦を立案しないのか?
殿は毎日何して暮らしてるのか?
僕は殿になったことはないので分からないが、
事件は現場で起きてて、会議室で起きてないことはたしかだ。


爆死する映画も同じである。

止まらない列車。

それこそが愚かな人間の宿命なのだろうか?

太平洋戦争は原爆という外圧で止まった。
この列車は脱線転覆してもまだ走りそうだ。

さっさと飛び降りた方がいいのか、
ブレーキを探しに行った方がいいのか、
原爆が落ちるまで待つべきなのかは、
僕にはわからない。


そういえば「いけちゃんとぼく」の、
クランクイン一週間前でCGプロダクションが降りた時、
僕は無理だと思ったので、
今回の映画化は見送りましょうといった。

だがプロデューサーは今更止められないとして、
別のCGプロダクションを口説いてきた。
なんの事前打ち合わせもなくCG担当者と土佐の現場で会ったんだぜ。
CGメインの映画でさ。


止まらない列車は、
関わった人たちの死体を載せている。

それがどんなに増えても止まらないことを、
僕は不幸なる映画監督デビューで体験した。


我々庶民は、祈ることしかできない。

それって民主主義なん?
posted by おおおかとしひこ at 19:59| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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