映画で好きなシーンを思い出しなさい。
一個じゃ足りない。量を分析して特徴抽出をする。
最低10。100から10選んでもいいぞ。
10たまった? じゃあ次。
まずどの映画のどのシーンかを書く。
そして、「何故好きなのか」を書く。
端的に語ってもいいし、長々と書いてもいい。
「どういうところが好きなのか」でもいい。
これはまず観客目線ということである。
このような結果を出すために、
どのようなものがあるのか、ということを分析しようというわけだ。
まずそのシーンは、どういうシーンだろう?
新しい事実が分るシーンか?
深い感情(哀しみ、笑い、喜び)に触れるシーンか?
すごいアクションシーンか?
その種類を書きだしてみることだ。
ひょっとしたらあなたは、同じ種類のシーンしか好きでないかもしれない。
バラエティが豊かな感性なのか、
それとも狭い感性なのかをまず見ていく。
おっぱいがでるシーンしか好きじゃない人だっているだろう。
「性癖」ということはそういうことだ。
そして、
「何故好きか」を分析してみる。
赤が印象的だったから、というビジュアル的な理由かもしれないし、
「芝居が良かったから」という理由かもしれない。
音楽とアクションがばちっとはまってる気持ちよさかもしれない。
わくわくするから、という期待感が理由かもしれない。
スローモーションが好き、ということかもしれない。
今あげたものは、点の要素である。
線の要素はあるかを分析する。
これまでのこれこれがあり、ここでこのようにこうするから好きなのだ、とか、
これがあったからこそ、あとあとのあれがああなるから、
それはこのシーンに肝があるのだ、
などである。
赤が好き、という一見ビジュアル上の好きだったとしても、
これまであからさまに寒く、辛いシーンで、
初めて人のやさしさに触れた、あったかいシーンでの赤かもしれない。
逆に、これまで穏やかに暮らしてきた世界が、
流された血で一気に逆転する表現かもしれない。
単なる赤が好きの場合もあれば、
線で赤を効果的に使っている場合もある。
一見点だけど、分析してみれば線で理由がわかることだってあるぞ。
もし点の要素がただ好きならば、
それはただの性癖である。
「それがあれば満足して興奮する」という要素だ。
それは人によるので、一般的な拡大は出来ない。
線の要素によって点に繋がっているならば、
脚本家としての分析が必要になるだろう。
どういう構造からこれが導き出されているのか、
緩急の具合、対立する要素など、
前の展開、あとの展開ありきで、
その点が好きだという事になっている可能性がある。
さて、これらを表にするとこうなる。
好きなシーン
何故好きなのか(点でも線でも好きなように)
それはどういう種類のシーンか
線の要素
これらを10やってみよう。
そうすると、あなたの好きなものの傾向が分る。
逆に、
世間で評価の高いシーンを集めよう。
個人ブログや評論サイトで見繕えばよい。
それらを同様に分析してみよう。
あなたに足りないものが分る。
あなたがとくに敏感なところも分るということ。
平均的なものがどうで、
自分がどのような特殊かを知ることは、
あなたが作家としてどのような位置づけになるかということだ。
平均的になる必要はない。
それじゃ個性がなくなる。
自分を知ればそれでよい。
で、足りないものがあるならば、
それに今後注目すればいいだろう。
それを好きにならなくてもいい。
それを作中に取り入れればいいだけのことだ。
自分が好きなシーンはそういう風に書き、
力を入れていないシーンは、
たとえばそういう風に書けないか、
を検討するのである。
どっちでもいいシーンなら、
受ける要素を入れときゃどこかの性癖に刺さるわけでね。
そういうやりかたもある。
10じゃなくて50やってもいいし、
半年ごとに定期的に10やってもいい。
経時変化があるかもしれない。
好きなシーンは何か?
プロファイリングのようにねちねちと分析してみる。
そこから読みとける線こそが、
あなたが練り込むべきところである。
2021年03月24日
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