そもそも英語配列である所のqwertyを、
日本語でもつこたろというズボラが、
ねじれの最初なのではないだろうか。
異なる言語を使うときは、
異なる合理性があると考えるべきだろう。
異なる文字、音韻体系のものを、
同じ配列でオペレートすることは、
「覚えることを少なくする」という初期には有効だが、
「それをずっと使って本格的なことをする」
には動線の不合理さが勝ると思う。
十得ナイフは、ひとつも得をしていない。
どれも専門の道具に負ける。
問題は、何を専門にするかだと思う。
英語も日本語もちょっとしか書かないなら、
qwertyを何も考えず使えばいい。
英語も日本語もバリバリやるなら、
英語はdvorakやcolemakを使い、
日本語は薙刀式を始めとした合理的なカナ配列を使えばいいのだ。
ショートカットや記号もバリバリ使うなら、
ショートカット用の配列や、
記号用の配列も使い、
計4配列を使い分けたっていいのだ。
自作キーボードのレイヤーは、
記号用の配列を搭載しているといっても過言ではないわけだし。
そこまで気力のない人は、
「英語とローマ字共用配列で、
最適化した配列」を使ってもいい。
dvorakやHarmonyがある。
「ローマ字とショートカット」がメインなら、
Eucalynがある。
「配列を変えるのはいいけど、
○○はどうするんだ?」と疑問に思う人は、
それぞれの配列の設計思想を調べると良いだろう。
具体的な表をつくってみる。
英語: 英 日本語: 日 ショートカット: シ 記号: 記
文章編集操作: 文
O: 最適化 X: 考慮せず △: ある程度考慮
で表記すると。
英日シ記文
薙刀式 XOX△O
親指シフト XOXX△
新下駄 XOX△X
飛鳥 XOX△△
JISカナ X△XXX
新JIS XOXXX
qwerty △△OXX
dvorak OOXXX
colemak OX△XX
Harmony OOXXX
Eucalyn △O△△X
のような感じだろうか?(ずれてたらすいません)
強みは弱点の裏返しだから、
トレードオフになっている所もある。
しかし「考えていない」という所もある。
そんな需要があるとはつゆ知らず、考えてませんでした、
という場合もあれば、
あえてそこには踏み込まず、ユーザーが勝手にしてください、
というスタンスもある。
薙刀式は文章編集ショートカットは手厚いが、
それ以外のショートカットは無視しているし、
英語専用配列のcolemakはローマ字なんて考えてない。
親指シフトは当初はカナのみだったが、
のちに小指シフトで大文字のqwertyに対応した。
(それがどれくらい役に立ってるかは疑問だが)
こうした、それぞれの配列の守備範囲というか、
何を重視して何を捨てているか、
なかなか一覧できないなあと思ったので論じてみた。
薙刀式の記号は打ちやすい位置かつ文章特化で考えていて、
飛鳥は打ちづらいところへ記号を置く程度の配慮で、
温度差があるものの俯瞰するために△とした。
ざっくり考えるときに活用されたい。
僕は、それぞれの言語には、
それぞれに最適化された入力法があるべきだと思う。
ただいくつもの配列に習熟する必要性や気力はないかも知れないので、
それぞれの事情に応じて決断すればいいと思うだけだ。
Twitter専用なら、フリックが最速かも知れないしね。
2021年03月26日
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