2021年03月28日

【薙刀式】薙刀式はすべての人におすすめできる

親指シフトは簡単にはおすすめしない、という記事を見たので。

【親指シフト】ローマ字入力から移行して6年半、現在の率直な感想
https://hitoxu.com/027125

僕は、すべての日本語を打つ人に、
薙刀式をおすすめするけどな。


例外があるとしたら、
「既にデフォルトのqwertyローマ字かJISカナをブラインドタッチできて、
1000字(変換後)/10分以上のペースでバリバリ書けて、
たくさん書いても疲れ知らずで、
一度もそのやり方に疑問を抱いたことがない人」
そんな人いるのかな。
日本に一万人のオーダーくらいしかいないのでは。

しかしこれは、
「すべての人に運動をおすすめします」
くらい広いおすすめの話だ。

必要性や有用性が分かったとしても、
すべての人が明日から毎日ランニングを始めないように、
個人がやるかどうかには温度差がある。

それは、習得するまでの努力が少し必要だからだ。


買ってきて袋から出して並べれば食べられるお惣菜とは違い、
モノはブラインドタッチである。
ある程度のモチベーションがないと、
継続した努力は続けられないだろう。

習得したあとのリスクもある。
WindowsやMacのアップデートで、
いきなりエミュレータが動かなくなるかも知れない。
(今のところそんな心配はなさそうだけど、
100年先は分からない。
QMKの入った自作キーボードならアップデートの影響は受けないが、
文字信号の仕様がまるで変わる日が来ない保証はない。
これから数年は有志の方がアップデートしてくれるかも知れないが、
先の保証はなにもない。
僕は楽観的になんとかなるさと思っているが)

親指シフトと違ってキーボードを選ばない
(30キーとスペースキーさえあればよい)ので、
親指シフトよりリスクは少ないと思う。


そのリスクを負う代わりに、

カナ入力の気持ちよさ(脳内が静かになる)、
1モーラ1アクションで日本語のリズムで打てること、
1000字(変換後)/10分の速度を手に入れられること、
一日5000字書いても疲労がないこと、
記憶負担が少ないので手に神経を注がなくてよく、思考に集中できること、
編集モードや固有名詞モードを併用することで、
ホームポジションからすべての文書編集ができること、

などのリターンを得られるのだ。

とくに薙刀式は、
習得の速習性がいろんなところで見聞きするようになってきた。
親指シフトに比べて3/4以下の労力でマスターできそうだ。

それは、濁音、半濁音、小書き、拗音、外来音が、
全て同置で、清音50だけを覚えれば済み、
よく使う言葉がアルペジオをはじめとする打ちやすい運指に当てられているからである。

すぐ覚えられる→すぐ打てる→よく使う→記憶の定着…
のループを毎日回せるのが大きいと思う。

高効率で知られる配列ではそうはいかない。
習得までの壁は薙刀式よりはるかに高く、
打鍵効率を実感するまでに挫折する可能性がある。

少なくとも親指シフトに比べて、
薙刀式は半濁音と小書きを覚える必要がない。
親指シフトはここが不規則配置でかつマイナー位置に当てられているため、
この部分のマスターに半年かかった例もある。
薙刀式なら、2〜3週間で動かせるようになる。
速い人なら3日でツイートを始めた例もあるくらい。
(追記: ごりゅごさんは二ヶ月でローマ字より楽に入力できるようになったそうです)


もちろん、1日でマスターできるブラインドタッチがあれば、
それには負ける。
しかし人類の限界は、
1週間くらいはどうしてもかかるっぽい。

このへんが、
「運動は体にいいと分かっているものの」
に似ていると思う。

すべての人にはすすめるが、
全員がやり始めるわけじゃあないってことだ。


マスターしたらどれくらいの速度で、
どれくらい楽に打てるかに関しては、
薙刀式は豊富な動画で示している。
YouTubeにたくさんあげてるので、嘘ではないとわかるだろう。
「なんとかダイエットが有効!」
とか言っときながら成功した人が出てこないインチキではない。

僕がふつうにタラタラと打てているところを見れば、
万人かどうかは分からないけれど、
ある種の人にリターンがあることの証明にはなっていると思う。



Macじゃだめなんでしょ?
いや、eswaiさんによるMac専用薙刀式アプリ、Benkeiが完成しつつある。
もうすぐ正式リリースで、ベータ版なら今すぐ使える。

Windowsでも、
僕のオリジナルDvorakJ版よりも速い、
なかやさとるさんのAutoHotKey版もある。

自作キーボードで走るQMK版もある。
すべての自作キットに組み込める移植ガイドも作者のeswaiさんによって詳しく書かれている。

iPadやChromebookにはないが、
自作キーボードを繋いでしまえば使えるぞ。
繋げばいいなら、iPhoneやAndroidもOKだ。


やらない理由はないと思う。

二つあるとしたら、
先程あげたデフォルト入力のすごいマスターか、
めんどくさいからいいや、
だけだと思う。

めんどくさい人に、わざわざ首根っこをつかんで強制するわけにはいかない。
そうじゃなくて、迷ってる人がいるとしたら、
是非こちらへ、とお誘いする。

薙刀式をはじめて、彼女ができて宝くじに当たるわけではない。

でも、
「自分の言葉を書く」ことが、
不合理で指を痛めるqwertyの鎖を引きちぎり、
自由になることだけは保証する。

僕はこれで自分の言葉を、デジタルで取り戻せたと実感している。



あなたが文章が書けないのは、
あなたの力不足ではない。
あなたの道具が悪いだけだ。

それに気づかず、
一生デファクトスタンダード
(嫌々決まった、これ以上変えられない妥協)
を使ってても別に構わない。

僕はすぐれた道具でバリバリ書いていく。


弘法にダメな筆と墨を渡したら、
一枚目は書いてくれるかも知れないが、
二枚目も書いて、と言ったら「まともな筆と墨を寄越せ!」
ってキレると思うんだ。

日本人はそろそろ切れていい。
いつまでこんな間に合わせの劣悪な道具を使わせるのだ?と。


僕は、qwertyローマ字よりも、JISカナよりも、
フリックの方が優れていると思う。
しかしフリックでは長文はしんどい。
音声入力が合う人もいるだろう。
僕は脳内発声なしで書きたいので、音声入力は使えない。

するすると文章を書いていきたいならば、
薙刀式はおすすめだ。

他の新配列に比べて習得コストが最低レベル
(対抗は新JIS)なのが売りである。

まずは動画を見て、信用に足るかどうかを判断してくれ。
posted by おおおかとしひこ at 16:15| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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