「池の水全部抜く」みたいな感じのものを考案してみた。
これでわりと調子が戻るので、いいかも。
タイピングは指の運動だから指を痛めると思いがち。
実は指の運動は、手の中の筋、肘、肩、背中、腰あたりの、
すべての筋肉で動かしていて、
タイピングをしすぎた場合、
手指の痛みはないのだが、
肘や肩に凝りが残っていて、
そこがダメなためタイピングがダメになることがとても多い。
とくに複雑な構造で知られる、
肘周り、肩周りの筋の、微妙などこかしらが硬くなっていることが多い。
いわゆるストレッチでは、
メジャーな大きな筋肉や筋を伸ばすことが可能だが、
そうではない、細く、深層にいるような筋を伸ばすことは出来ず、
しかもタイピングに使うのは、
メジャーで力を出すための大きな筋ではなく、
細かい動きをするための、こうした細くてマイナーで深層にいる筋肉だ。
だからいったんここが凝り固まると、
ふつうのストレッチで伸ばすのは大変難しい。
神経系、筋膜系、ツボ系など、
凝ってるところと別のところを刺激することで、
そこに効かせる方法では、
対応関係がわからないとその凝りを解すことができず、
専門家しかわからない。
「今、ここが凝っているのだが、
それをどこから治していいか分からない」
という悩みが常にあるわけだ。
僕が考案した以下の方法は、
「肘周りの筋の微妙な筋の治し方がわからんので、
いっそ全部の筋を伸ばしてしまおう」
というしらみつぶし法である。
やや手間がかかるけど、
「俺はここも凝っていたのか」と、
自覚症状のないところにも気づくことが出来るので、
そういう意味でもおすすめである。
風呂上がりに2〜3日続けることで、
頑固な凝りも解れてくる。
二週間ほど続ければ、長年のものも改善する。
(完治する保証はない。人によるだろう)
もし凝りの場所の筋肉の名称がわかれば、
「○○ ストレッチ」でググり、
個別対処しても良いだろう。
これで発見したのは、
ある場所が凝っているとき、拮抗筋も凝ってたりすること。
自覚症状がなかったので、大変役に立った。
両方をまとめてほぐすのは、
結局「全部伸ばす」が楽かも知れない。
では本編。
肘周りと肩周りがあるが、
基本の肘周りから。
【肘周りの筋全部伸ばす】
左手の場合。
立った姿勢で腕を前に出し、掌をパーに。
掌は上へ向ける。
この時、腕の鉛直下半分を「裏側」、
鉛直上半分を「表側」と呼ぶことにする。
二の腕でいうと、上腕二頭筋は表側に属し、上腕三頭筋は裏側だ。
解剖学的には違うかも知れないがわかりやすさ優先とした。
タイピングで痛めやすいのは裏側である。
しかし拮抗筋である表も同時に凝るので、
双方をほぐしていく。
1. 裏側のストレッチ
上の姿勢のまま、右手で左手の手首を軽く持つ。
〈右手と左手、左肘、左肩〉を一直線に保ちながら、
左の二の腕だけを鉛直下に下げるように力を入れる。
肩、手首、肘は固定で一直線のまま、
二の腕の裏だけが引っ張られる感覚をつくる。
手首が支点、力点は肩、作用点は肘付近、
みたいなテコだ。
二の腕の裏側、上腕三頭筋が伸びることがわかる。
下に下げる力と、肘と肩に引っ張られることがわかると思う。
この伸ばしを、裏側全てに施していく。
腕を伸ばしたまま左腕をひねり、
掌を外側いっぱいに向ける。
これを右手で固定して、
腕をまっすぐキープしたまま、左手の二の腕を鉛直下に下げる。
裏側の筋のうち、一番外側が伸びることがわかる。
この姿勢で深呼吸、10秒〜30秒。呼吸しないと伸びない。
伸びたと自覚したらゆっくり力を抜く。急激に戻すと痛めるぞ。
次に、掌を外側いっぱいから少しだけ内側に回転して固定、
同様に鉛直下に力を入れて筋を伸ばす。
二の腕の、さっき伸ばしたところより、やや内側の筋が伸びる。
かくして、また少し掌を内側に向ける→次の内側の筋が伸びる
を繰り返して、
左手の掌は左から上を向き、右を向き、下を向き、さらに外側を向くまで一周する。
少しずつ伸ばした筋は、裏側全部を尽くしたはずである。
そのうち、特に凝っている筋があるならば、そこを重点的に。
ただ、凝ってないと思ったところが凝ってる、
という発見が目的でもあるので、
飛ばさずに全部やろう。
2. 表側のストレッチ
最初の姿勢、掌を上に向けて伸ばした状態にもどる。
同様に左手の手首を右手で軽く掴み、
鉛直下ではなく鉛直上に力を使う。
そうすると、肘と肩にくっついた二の腕の表側、
ここでは上腕二頭筋が伸びるはず。
これで伸ばし方がわかったら、
同様に掌を外側に向けて、端の筋から順番に伸ばしていく。
掌は、左→上→右→下→左と、
一周する。
それで、表側の筋を全部伸ばせる。
「掌をちょっと回転」は、
10段階にわけてもいいし、50段階に分けてもいい。
凝ってるところは特に細かく手首の回転角を変えることで、
手の届きにくい細かい筋を伸ばせるようになる。
あるいは特に凝っている筋は、
ある角度で伸ばしたまま微妙に左右回転すると効く。
これで、
肘周りの、二の腕側の筋が全部伸びた。
次に肘周りの、前腕側の筋を全部伸ばす。
やり方は同じで、「二の腕」を鉛直下、鉛直上に動かそうとするのではなく、
「前腕」をやろうとするだけでよい。
体勢は同じで、体内の力の入れ加減で調整するわけだ。
体の外に力を発する外力ではなく、内力的な使い方だ。
さらに、肩周りについても同じことができる。
二の腕、前腕でなく、
肩関節を鉛直上、下に力を入れて動かそうとして、
肩周りの筋を伸ばせば良い。
同様に、右腕もやるとよい。
これによって、
腕の軸を中心として、360度の筋全てを伸ばすことができる。
手首と手、肩と胴体の接続部に関しては別のストレッチが必要だろうが、
とりあえず【肘周りの筋】をテーマにしたのでここまでにしておこう。
これで僕は三年来の腱鞘炎の痕跡を、
二週間かけて半分くらいは消すことに成功した。
完治する、つまり凝りの一切ない無垢な体になるかは、
一ヶ月くらいやってみてからさらに報告する。
僕は左腕の裏の内側、右腕の裏の外側が特に凝っていたのだが、
これをやることで、左の表の外側、右の表の外側も凝っていることを発見した。
それぞれ拮抗筋のペアになっている。
なるほど、一方の負担をもう一方でも負担してるんだな。
これを同時に解さないとダメっぽい。
ちなみにさらに、
「凝っている筋の自覚」ができたら、
それを集中的に伸ばす方法が以下。
【寝転がって肘周りの筋を伸ばす方法】
左腕の場合。
寝転がり、左腕を下に横に寝る。
枕があったほうがやりやすい。
体の前面に左腕を伸ばす。
体の重さで左腕を潰すようにする。
この体勢で、上と同様右手で左手首を持ち、
同じことをする。
左腕を、床と体重で強制的に伸ばす感じ。
左腕に力をいれずに済むので、
体重でじわーっと伸ばせる。
体の向きや場所、左腕の回転角で、
伸ばすべきところを微調整すること。
ふかふかのベッドよりも、
硬い床の方が効果が高い。
体重と床で挟んで固定するのがキモなので。
風呂上がりや、起きがけがおすすめかな。
体勢が難しいが、
前腕側や肩周りも出来なくもないので、
「全部伸ばす」のではなく、ピンポイントで凝ってるところだけやると良い。
真面目に全部伸ばすと30分はかかる。
じっくり向き合う時間を取ることだね。
2021年04月19日
この記事へのコメント
コメントを書く