これまでお椀型ばかりであった3Dキーボードに、
サドルプロファイルキーキャップは、
球を掴むような形でアプローチする、ユニークな方法を取っている。
しかし人差し指の曲面で迷っている。
人差し指担当の3キーと、人差し指伸ばしの3キーの関係である。
三種類の考え方がある。
1. 球(凸)の関係。
2. フラットな関係。
3. お椀(凹)の関係。
1. 球(凸)の関係。
たとえばHとJでいうと、
Hのトップ面とJのトップ面が、
水平前から見ると、凸曲面の上にいる感じ。
JからHに運指したとき、
手首の回転軌跡上にHがいる感じ。
2. フラットな関係。
HJのトップ面は揃っている。
パンタグラフのように、指を伸ばして撫で打ちする。
3. お椀(凹)の関係。
HJのトップ面同士は凹曲線上にならぶ。
指を伸ばしたらHの面が迎えに来る。
(ただし撫で打ち+突き刺しの打ち方になる)
製品版はフラット気味にしてある。
当初は凸にしたものの、
Yまで凸にすると、Yが遠くなるからだ。
遠いYは凹にして、突き刺し的な突き指にならない、
緩めの凹になっている。
とするとHYをJから見て凸凹だと、角度の開きがありすぎるので、
フラット系に戻した記憶がある。
緊急事態宣言中、遊舎でゆかりさんに会い、
Lime40の3D曲面について詳しく議論した。
ゆかりさんの凸に関する考え方は確かにそうだという賛同を得たが、
ゆかりさんはさらに考えていて、
「人差し指伸ばし-人差し指と、小指伸ばし-小指は凹、
中指-薬指-小指は凸」
のようであるべき、らしい。
なるほど、それもあるな、
とLime40の感触を思い出しながら納得していた。
Lime40は小指伸ばしもあるからそう考えたのだろう。
ぼくは小指伸ばしを捨てたので、
伸ばし位置は人差し指側だけ考えれば良い。
で、
凹を取り入れて、
人差し指伸ばし-人差し指は凹、中指-薬指-小指は凸、
のようなものを作ったのが、
最近の試作のものだ。
しばらく使ってみたのだが、
凹だと手首を回転して撫で打ちするときに、
突き刺しが突き指っぽくなって、
なんだか不快である。
指だけ伸ばすときは、その曲線に合っている気がする。
つまり、人差し指伸ばしを打つとき、
「手首を回転させる」と、
「指を伸ばす」の、
複合的な動きであることに気づいたわけだ。
指を伸ばすだけで打つならば、
フラットか凹が良いと思う。
逆に手首を回転させるだけなら、
凸がいいという結論になった。
常に手首と指伸ばしは併用されるのか?
と自分の手を観察していると、
ホームポジションから、Hを単独で打つときは、指伸ばしのみ、
HK(薙刀式では「くい」)なら手首の回転を使い、
HI(薙刀式では「くる」)なら指伸ばしのみ(両方の指を伸ばして、時間差で着地させる)、
と、
その後の運指によって、動きが異なることが判明したのだ。
さあ、訳がわからなくなってきた。
単独でHを打って終わりではない。
特に薙刀式は運指の繋がりを重視したから、
ホームポジションにいちいち戻らずに、
キーをアルペジオで繋げることがよくある。
とすると、
「伸ばしだけではなく、手首併用もある」
というバラエティのある打ち方で、
Hを打っていることがわかってきた。
Nも同様だ。
NK(「たい」)の時は手首回転を使う。
NM(「た。」)の時は指伸ばしメイン。
NI(「たる」)の時は、手首回転でNを引っ掛けるように打ってIは指伸ばし。
なるほど、
「一定の打ち方、侵入角、戻る」
ではないぞ、
ということが分かってきたのだ。
薙刀式ではYはカナでは使わず、単独カーソルとしてしか機能しない。
ということは、指伸ばしのみなので、
ここは凹でいいかなと思っている。
しかしHNは、かなり複雑な指の当たり方をしていることが分かってきた。
「伸ばしは凹」というゆかりさんの考えは、
突き刺し系メインの考え方であることが、
議論の結果判明する。
撫で打ちにも合わせた感じとはいうものの、
この辺のことはおそらくその時点では気づいていなかったと思われる。
僕が指が短いから、手首の回転も併用するのか?
薙刀式の繋がる運指だからそうなるのか?
この辺のことはまだ分離できていない。
とりあえず次の試作は、
Yは凹固定、HNを凸という組み合わせ版を試すことにした。
全体に球だけど、Yだけぴょこっとウイングみたいに出るデザイン。
でもPも球だけどフラット方向になってるので、
YPの耳がついたような球っぽくなる予定。
また、もうひとつ、
Kの指の当たり方は、
HNの角度によって異なることがわかってきた。
凹で不快なKの曲面も、
HNを凸にすると不快でなくなったりする。
組み合わせなんだなあということがわかる。
プリントして、触ってみないとわからない。
現在印刷開始した。一週間後に届くのが楽しみ。
2021年04月15日
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