HHKBは全てのキーボード難民がたどり着く、
標準スタイルのものとしては最高峰のキーボードだ。
しかし僕は以下の点が不満で、
自作キーボードに転んだ。
・45gの荷重が重すぎる。長文一万字は無理。
・左に傾いた、左ロウスタッガードが左手首を壊す。
・ステップスカルプチャーが撫で打ちに向かない。
・数字段いらない。
・右端のキーも遠い。左端のキーも遠い。
・毎日持ち運ぶには重すぎる。
標準スタイルのキーボードそのものが、
僕には不満だった。
結果、自作キーボードMiniAxeへと転ぶ。
左右分離、格子配列、
文字キー30と親指キー6で操るミニマルスタイル。
スイッチは、
現在体感30gくらいのスロースプリング(吸い込まれるように打てる)
+底打ちに柔らかい仕込み材。
静電容量無接点の30gよりも底打ちがふにゃっとして、
マシュマロのような打ち心地になっている。
(軽いキースイッチは底打ちで指を痛めがち)
そして撫で打ち特化型の、指の動く曲面合わせた3Dプリントキーキャップ。
軽さはどんくらいだろ。
Apple Magic Keyboardより軽いんじゃない。
それをポリカーボネートケースに入れて、
毎日持ち運んでいるよ。
ケーブルの組み立てが面倒だけど、
マグネット端子を使ってるのでそれほどでもないし。
全ての要素がHHKBを上回っているので、
僕から見るとHHKBはたいしたキーボードじゃない。
そりゃ安いメンブレンや、中途半端なメカニカルよりも、
遥かに高みのキーボードではある。
でも、世の中にはまだその上がある。
HHKB至高/リアルフォース至高と言っている人は、
まだ井の中の蛙だと思う。
自作キーボードの最先端は、もっと遠くにいるよ。
https://chart-studio.plotly.com/~haata/67
で見られるんですが、とても素直な曲線に見えます。
薙刀式には、軽いリニアスイッチを格子配列で配置するのが合っていると私も思っています。
さらに親指列を好きな位置にずらせたら最高です。
これは面白いデータをありがとうございます。
東プレの静電容量方式のフォースカーブを決めているのはラバードームで、
最初重めに押し込んでから、
急に途中で軽くなる感じになるのが特徴かと思います。
ドームの変形によってそれらが担保されてるかと。
戻りも同様で、最後に指に吸い付く感じで戻ってくるんですよね。
これらはOEM(なんだろ、NiZかLeopard?)では、
出ていない特徴で、
この感触をもって「静電容量がベスト」という信仰があると思われます。
で、これはほとんどスロースプリングで実現できてる、
と僕は思いますね。
DurockL1のバネ切りで感覚的には再現できてると思います。
(こんどバネ単体でも売るらしいので、
どんなスイッチでもそうなるか実験したい…)
格子配列がいいか、TreadStone配列がいいか、
Atreus配列がいいかは好みが分かれるところかも。
左右は対称なのがいいとは思います。
薙刀式のアルペジオを考えると格子配列がいいのかもです。
親指位置はこれまたClawがいいか、Corneがいいか、
格子配列がいいか、悩ましいところですね。
さらに3D曲面になってくると…(沼
「Ctrlの位置がおかしいだろ!」と頭に来た人間です。
そこから「Ctrlは親指で押すべきキー」との結論に達しました。
だからCapsLockをCtrlにすることを推奨している時点で、
HHKBには最初から全く興味が持てませんでした。
つい先日、薙刀式を軸にしたキーマップと自作キーボードが実用レベルに達し、
ようやく親指シフトとRealforce106(All30g)を捨てることができました。
次いでにCtrlとWindowsキーもキーマップから捨ててやりました(笑)。
非常に快適ですよ。
(Ctrlはアプリでショートカットを登録する時のために残すか迷いましたが、
その場合はソフトウェアキーボードを使うことにしました)
Realforce106は長年付き合ってくれた愛機ですが、今となっては
「標準キーボード」はフランケンシュタインやキメラにしか感じられませんね。
「おぞましい」という感情すら湧いて来て、自分でも驚いています。
僕はずっとMacしか使ったことなかったので、
Ctrlの意味はまるで分かりません。
MacにおけるショートカットキーはA横のCtrlではなく、
スペース両脇のCommandキー(井の角が丸い記号)です。
Windowsを使うときは、
僕のMiniAxeではMacと同じ位置、左親指3番にCtrlを置いてますね。
基本的には薙刀式の編集モードを使うので、
文書編集以外のショートカット専用ですが。
親指シフトと薙刀式の配列上の相違点など、
使った人でないと分からない感覚があれば、
教えていただくと幸いです。
ちまたで言われるほど、親指シフトがいいものだと思ってないので。
パソコンに初めて触れて感じたのはCtrlとBSとEnterとアローキーの遠さと、ローマ字入力とかな入力のあまりの不合理さでした。「この(標準型)キーボード(レイアウト)を作った人間は頭がおかしい」と真剣に思いましたね。
それでローマ字入力とかな入力以外の入力方式を探したのですが、「実質的な代替案が親指シフトしかなかった」が親指シフトを選んだ理由です。Windowsはすぐにバージョンアップして互換性がなくなっていたので、既に大勢の人が使い、企業や有志の長期的なサポートを得られるあろう親指シフトしか候補が残りませんでした。
当時の心情は「日本語入力の非標準の標準なら安心して長く使える」的なものでした。純粋な配列の完成度で選んだわけではありません。変な話ですが、親指シフトは「少数派の多数派」や「マイナーのメジャー」なのではないかと。圧倒的多数派に排斥された難民が求めるのは、自分を庇護してくれる次なる多数派なのかも。そういった安心感が親指シフトにはありましたね(過去形)。
同時打鍵システムを開発して実質的なキー数を増やした親指シフトの評価が高いのは当然ですが、配列の完成度以上の評価を受けているのは、「比較対象であるローマ字入力とかな入力が悪過ぎるから」でしかないと思います。「先行者利益が続いている」とも言えますね。
なお、親指シフトから更に乗り換える人が少ないのは、親指シフトの配列が「多くの配列難民が求める必要性能を満たしているから」ではないでしょうか。親指シフトは最善でも最高でも最先端でもないですが、大半の配列難民にとって「実用上の問題は無い」ように見えます。
ローマ字入力やかな入力から親指シフトに乗り換えるのはコストとリターンが充分に釣り合いますが、親指シフトから他の配列に乗り換えるのはコストとリターンが釣り合わない人が多いのでしょう。
私も釣り合わない派でしたが、幾つかの条件が重なって釣り合う派になりました。(続く)
また、親指シフトはスペースキーの短いキーボードを探す必要があり、物理的な選択肢が極端に少ないのです(特にノートパソコン)。
ただでさえキーボード探しに苦労しているのに、スペースキーが長いことの無駄さを「分かっている」と個人的に思っていたRealforceですら、USキーボードに合わせる昨今の風潮に迎合しました。
最後の砦だったRealforceすら陥落し、親指シフトに適したキーボード探しがこれから益々困難になることを想像すると、もうダメでしたね。心が折れました。
その上で、OSのバージョンアップやパソコンやキーボードを新調する度に、富士通や有志のサポートが不明瞭なまま親指シフト環境を構築して使い続けるコストと、自作キーボードと薙刀式を導入するコストを比較した結果、後者の方がリターンが大きいという判断になりました。
親指シフターに薙刀式を勧める時は、自作キーボードとセットで勧めると良いですよ。
「既製品で親指シフトに合うキーボードって殆ど無いよね? 今のキーボードが壊れたらどうするの? これからもずっとキーボード探しで苦労するの? 自作キーボードなら理想的なものが見つかるしずっと使えるよ。理想的なキーボードにはもっと優れた配列が欲しいよね。そういう配列に変えるなら自作キーボードを導入するタイミングしかないよ!」・・・・こんな感じで(笑)。
親指シフトと薙刀式の打鍵感の比較はまた後日に。
長文ありがとうございます。
なかなか参考になります。
リアルフォース第二世代の変節は痛かったんでしょうね。
しかし自作キーボードで親指シフト作っちゃえばいいのに、
と僕は思うんですけどねえ。
今ならQMKで組まれたものもあるし。
簡単に親指キーもモデリングできるし、
DMM.makeで2個4000円くらいで売ったろかな、
なんてずっと思ってますが。
で、同じ土俵に来た時に、
はじめて論理配列同士の比較が可能になるのかもしれないですね。