僕は楽器をやったことはないが、
gabaranaiの出現以降、自作キーボードで、
楽器の方のキーボードを作る流れが生まれている。
上手い人の演奏を見ても早すぎて理解できないんだけど、
そんなに上手くない人の演奏を見て理解できた。
https://mobile.twitter.com/kisuka727/status/1381193590135607297
運指の考え方は全然違うね。
文字の方のキーボードは、
指と文字の担当に固定された関係がある。
Jを打つのは右人差し指と決まっていて、
他の指が打つことはない。
(例外あり)
だから、「手の固定」が必要である。
ここに置いた手の位置で、
○指を伸ばした位置、普通の位置、縮めた位置、
のように、手の位置基準で、
指と文字が決められた空間認識がある。
楽器の方のキーボードは違うっぽい。
手はどうやら動かす前提のようだ。
楽器と手は離れていて、
楽器の鍵盤の空間認識が先にあり、
そこに一番近い指で取りに行くっぽい。
同じ指を連続で使うことは難しいから、
指を都度やりくりするのだろう。
つまり、譜面によって指のやりくりは異なるわけだ。
ピアニストが薬指や小指を、
他の指同様に動かせるように訓練するのは、
やりくりをスムーズに生かせるためなんだね。
文字のキーボードのように、
「Aを打つ頻度が最も高いため、
それを左小指で打ち続けるために鍛えなければならない」
という珍現象は起こっていないということだ。
文字キーボードの方の「最適化」という概念は、
「決まったキーを決まった指で打つ」というものに、
楽器のキーボードの方の「指のやりくり」を、
加えたものなわけだね。
しかしあくまでも加えただけで、
ベースになるのは「決まったキーを決まった指で打つ」だろう。
もし文字のキーボードを、
楽器のキーボードのやり方で打つならば、
「手の位置は固定せず、
空間認識のままに指を伸ばして、
都度指をやりくりしながら打っていく」
になるのかも知れない。
使うのは人差し指、中指メインになり、
薬指や小指を時折使い、
手や腕を大きく動かしながら打つことになるのだろう。
これじゃあ複雑すぎて困難として、
「決まったキーを決まった指で打つ」に、
収束したのかも知れない。
楽器は譜面が決まっている。
一方言語は次に何を書くかは決まっていない。
その差が、
「譜面を最適に打つには手指を自由にやりくりする」のと、
「自由に書くには、指とキーを固定して役割を固定する」
ことへと分化したのだと考えられる。
タイパーの最適化は、
半固定文だからその間なのかも知れない。
ピアノのブラインドタッチと、
文字キーボードのブラインドタッチは、
全然違うと良く言うが、やっとわかったよ。
ピアノは脳内鍵盤があって、
それを取りに行くんだな。
文字キーボードは、指の三種類くらいの使い方で、
指ゼスチャーの指文字を作っていく感覚だね。
脳内マップも、運動も、異なるものであることがわかる。
タイプライターは、初期にはピアノを模して作られた。
それは構造を真似したからである。
藍は青よりいでて、の喩え通り、
全く今や異なるものになっているということか。
こうした両者の違いをきちんと言葉にしている人っているんだろうか。
ぱっと調べてもでてこないから、
両方の深い知識の交差点があまりないのかもだね。
2021年04月17日
この記事へのコメント
コメントを書く