2021年04月20日

【薙刀式】ごりゅごさんによる評

二ヶ月時点での評。

薙刀式と分割キーボードによる日本語入力能力の向上
自作キーボードは自作することに価値がある
https://goryugocast.substack.com/p/b9c?r=asx22&utm_campaign=post&utm_medium=web&utm_source=twitter
の後半部分。


・二ヶ月でローマ字より快適になった
・速くなることより、しっくりくる感覚
・このしっくりくる感覚があるからいいループがまわる
 (練習もするし、執筆もできる)
・最初の一ヶ月は大変
・配列バイリンガルは、可能
・デメリットはローマ字鬱陶しいと感じてしまうこと
・ちょっと書こうと思って40分でこの記事を仕上げたのは薙刀式ゆえ

あたりがポイントですかね。


「しっくり来る」というのが一番わかるんだけど、
薙刀式未経験の人は、分からない感覚だろうなあ。

親指シフトの「指が喋る」とか、
飛鳥の「指がぬるぬる繋がる」とかとは、
また違う感覚なんだけど、
そういう領域(スピードの向こう側みたいな)がある、
ということだけは周知していきたい。



ちなみに僕の薙刀式的にしっくり来るところは、

・右手で文字を書いてる感覚に近い
・BS、エンター、カーソルなど機能キーがFJから近いところにいる
・濁音同時押し、半濁音同時押しなので、直感的
・拗音同時押しも、考える必要がなくて直感的
 (外来音同時押しはちょっと考えちゃうけど、
 押してみれば直感的で合理的なので納得がいく)

・よく使う言葉、とくに繋ぎの言葉(日本語の膠着語的な部分)が、
 繋がる運指になっていて、
 言葉を都度繋ぎながら紡ぐ、日本語の書き方にあっている
・左から右への繋がりがよい(右利き的に)

・IMEのオンオフがホームポジションで出来る

・人差し指50%、中指30%なので、指が楽

あたりでしょうか。


逆にqwertyローマ字でしっくり来ないことはこの逆で、

・文字を書いてる感覚じゃなくて、方便としての道具の感覚で、
 「本来の感覚じゃない」という違和感がずっとある
・機能キーは遠すぎるし、小指で打ったら一時間持たない
・脳内発声がどうしてもあり、うるさい
 発声をタイプする機構上しょうがないが、
 表意文字である日本語を、音だけに捨象してしまっている

・よく使う言葉だろうがそうでない言葉だろうが、
 ランダムな指さばきが多く、動きがなめらかでない。
 飛び石を飛び続ける不快さがある
 立ち止まったりジャンプしたりのぎくしゃくした手の動きが、
 滑らかで連続した思考との乖離がはげしい
・指の繋がりだけでなく、手の繋がりもバラバラ

・IMEのオンオフがキーボードから目を離さないと無理
 (全角半角のトグルはUSBの抜き差し並みに失敗する)

・左小指の12%で死ぬ、右小指のBSエンターで死ぬ

のように整理できるかな。


qwertyでしっくり来なかったこれらのことを、
僕は薙刀式で覆したつもりだ。
もちろん全部薙刀式の特権ではなく、
実現している他の配列もあるだろう。
ここに上がっていない軸が重要な配列もあると思う。

ほんとは横断的に配列を論じたいけど、
どうしてもこれまでの経験に偏るよね。
(公平を期すため10個くらいは触ったけど、
結局マスターしきれなかったし、
深いところの理解をしている自信はない)


配列の議論の難しさは、
横断的に論じることの難しさと、
未体験のことは想像しにくいことだろうか。
周りに体験者がいないから、口コミも伝わりにくいし。

どういうことなら「しっくり来る」のか、
それを具体的に論じると、
問題がクリアに見えてくるかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 13:47| Comment(6) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
紹介ありがとうございます。
ほんとに、なんというか薙刀式の「しっくりくる」は素晴らしいです。
入力方式を変えたことで、こんなにも感覚が変わるとは驚きでした。
Posted by ごりゅご at 2021年04月21日 21:31
>ごりゅごさん

お役に立ててなによりです。
「キー配列は書き方のスタイルの一つ」
みたいな認識が広まるといいなあと思っています。

qwertyに問題を感じない人は、
1万字くらいガーッと書く、という経験をしたことがないのでしょう。
文章をしたためる方法が手書き以外にPCしかないのに、
その方法はあまりにも貧弱だと思います。

Claw44のキーマップは気になってるので、
「これで落ち着いたかな」というあたりで公開してほしいなあ。
色んな人の参考になると思うので。
(最近自分のMiniAxeのキーマップをまたいじり始めている)
Posted by おおおかとしひこ at 2021年04月21日 21:39
確かに、キーマップとかも他に知りたい人いるかもですね。
キーマップ、つい最近リセットして作り直したところで、これで1週間くらい問題なければ公開してみようと思います!
Posted by ごりゅご at 2021年04月22日 08:40
>ごりゅごさん

人のキーマップって、「こういう考え方があるのか」
と知れるだけで面白いですよね。
「ひとつの固定したキーマップ」じゃなくて、
都度改造していく楽しみも自作の楽しみなので。

たとえば「左手テンキーを左右対称にするべきか?」
で僕はいま悩んでてて、そういう話だけでも面白かったりしますよね。
Posted by おおおかとしひこ at 2021年04月22日 09:07
私もClaw44の薙刀式特化の配列をgithubで公開予定で、今は自分専用のマクロがたくさん入っているものをきちんと汎用的に整える準備をしています。

色んな人が配列を公開すれば、ユーザーはその分選択肢が増えるので良いのかなと考えています。
Posted by Yuichi Abe at 2021年04月23日 02:56
>Yuichi Abeさん

「文字入力は薙刀式でほかはA」みたいなマップがあると、
「なるほど、そこは組み合わせられるのか」
みたいなことを知る人が増えると思います。
「キーマップは自由にできるというけれど、
どう自由にしていいか分からない」という人もたくさんいると思うので。

「なるほどパーツパーツを組み合わせるのだな」
とわかるだけで発表する意味はあると思います。
Posted by おおおかとしひこ at 2021年04月23日 09:49
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