2021年04月28日

国のせいなの?

「韓国に大差つけられた日本映画界」低迷の真因
なぜ邦画は「アカデミー賞」に選ばれないのか?
https://toyokeizai.net/articles/amp/425014?__twitter_impression=true

韓国は国策で映画をちゃんとやろう、
ということを15年以上前に決めたはず。
国費でハリウッドに大量に留学させて、
釜山映画祭も開催している。
(日本は自費留学、東京国際映画祭は自費開催)
まず基本姿勢が違うんだね。


記事中で触れられている、
「一億円規模」とは、
ミニシアター系の邦画だ。

シネマライズ渋谷(閉館)で公開されるような、
中規模の映画たちが、
新しい才能を輩出し続けたのは90年代で、
00年代以降は、
急激に邦画は二極化した。

原作付きで5〜10億程度の「大作」
という名の学芸会と、
数千万規模の小品にである。

小品の例は「カメラを止めるな!」であろうか。

今オリジナル脚本をやりたければ、
スタッフのギャラは満足に払えないような、
「副業をやりながら映画をつくる」
しか実質不可能である。
10日で作るとしても一日100万しかかけられない。
プロカメラの一日レンタルは50万ぐらいから。

それか、原作レイプの大規模公共工事をするかの、
二極化が進んでいる。


1億円規模は、たとえばアスミックエースのような映画。
一点だけ何か売りがあって、
あとはなんとか映画にするレベルのやつ。
いけちゃんは2なかった。3あるって言われて本を書いたのに。

1億円前後のものは、
投資が集まらないのだろうか?
アスミックが最近元気がなくなったのは、
「ノルウェイの森」で大コケしてからと聞く。
投資額に対してリターンが少ないのはわかるけど、
小さく持ってコツコツ当てて、
たまにホームランが出るまで待つのは、
コンテンツビジネスの基本だと思うが。


それとも、10億円規模が「ふつう」になってしまったのかね。
デジタルになって安くなったかといえば、
その後の仕上げに手間がかかったりして、
製作費自体はそんなに変わっていない。
(プリント費が得してるくらい?これはPA費で製作費とは別枠)


僕らがどんなに面白い企画を考えても、
受け皿が今ない。
だから若手も頭角を表せず、
原作ものしかやらせてもらえない。
真のストーリーテラーは出てこれない構造だ。

韓国は何年も脚本にかけられて、
しかもその間専業の給料が出るって?
考えられないね。

小説家だって映画監督だって、
兼業でやらないと食っていけない。
そりゃ質の追求でも、量の追求でも負けるよな。


どこかの金持ちが、才能を100人くらい飼ってくれないかなあ。

昔は「飯と酒は出す」が仁義みたいなものだったが、
今やそんな習慣すら廃れて自腹になり、
困窮したらおしまいの社会が待っている。

出来不出来はおいといて、
100ワニのきくちゆうきは、
そうした漫画家を沢山抱える集団に属している。
たまたまそこが当たっただけだ。
給料を貰えて漫画を描けるなら、
俺もそっちへ行きたいわな。

給料を貰えて脚本を書ける100人くらいの集団があれば、
日本の映画はもっとよくなる。
そしてそれに投資する人も増えるのではないか?

まあ、映画に投資すること自体がもう流行らないのかもだが。
(ここ15年くらい、原作付き爆死の歴史ではないか?)
うまく回ってるのは、
原作付き少女漫画の実写化で、これが昔の1億円規模の椅子に座ってるね。


僕は映画が好きだが、邦画は好きじゃない。
しみったれてるもの。
ちゃんとエンターテイメントをやれる、日本出身の映画をつくりたい。


ちなみに数年前ネトフリに持ち込もうとしたら、
吉本が牛耳っていて、
吉本を通さないと持ち込み出来ない壁に当たった。
どこもセクトだな。
posted by おおおかとしひこ at 15:03| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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