がわかるかな?
ロボットアームによるカメラはここまで進化しているんだなあ。
https://mobile.twitter.com/goando/status/1388078333091581956
人間のカメラでは無理なワーク
(素早いめまいショットからのレンズを変えながらのパン、
ハイスピードでの横移動を一連で正確に動く)
が出来ているのは非常に興味深いが、
なんだかCGっぽい、命のなさを感じるのは何故かわかる?
以下僕の考え。
「人間が、カメラに合わせている」
からだと思う。
「お芝居にカメラが合わせている」
からではないからだと考える。
どういう状況か詳しくは分からないが、
「容疑者たちを職務質問した警官が、
怪しいと思い銃を抜き警告、
容疑者たちはヤバいと思い銃を抜くが、
警官の発砲が速く被疑者胸を撃たれる、
その他は逃走」
という筋書きが、
「段取り」に見えた。
警官がほんとうにそう思って銃を抜いているようには見えず、
「はいここで焦った芝居して銃を抜いて発砲してください」
に見える。
それは、カメラが先行して、
役者があとで追いかけているからだ。
カメラは目撃者でなければならない。
「今ここで起こっていることを、追いかける」
でなければならない。
「待っているところで事件が起きる」のはヤラセだ。
カメラは目撃者でなければならないのに、
この動画では指揮者になっている。
全員の役者がカメラに指示されて動いているから、
段取り芝居に見えるのだ。
スレッドにぶら下げられているKPOPのワークでは、
カメラと役者がジャストタイミングでシンクロしている。
これはダンスの考え方である。
カメラと役者が手を繋いで踊っている。
これはPVで、ダンスビデオの役目があるから正解だろう。
しかし、
「今起こっていることを目撃して、
何が起きているか把握、次に起こることを予測して追いかける」
という「ほんとうにそこで起こっていること」を見る芝居のカメラではない。
ストーリーはどこで見ているか?
砂被り席ではあるが、
ヤラセ席ではないのだ。
ストリップ劇場で、
わざわざ個々の客の正面で、順番にまんこを開かれるのと同じだ。
良く見えないんだけど「見えた!」って、
追いかける方が面白いのだ。
もっとも、これは新機材のデモ映像だろう。
本運用では、もっとシンクロのことを考えながら作っていくことになる。
だけど、だったら手持ちカメラかステディカムでいいんじゃない?
って思ってしまう。
あと、めまいショット
(ドリーイン+ズームバック+フォーカス移動、
またはその逆の、
ドリーアウト+ズームイン+フォーカス移動)は、
現場カロリーが高いくせに効果は低いんだよね。
普通にドリーインやクレーン移動の方が効果がある。
また、ワンショットで行くくらいなら、
切り返した方がいいことは、「バードマン」で良くわかったこと。
我々観客の意識は、点を切り替えて見ていて、
間を飛ばすように見る。
なぜならストーリーとは二者の間の対立だからだ。
つまり、
普通にカットバックのフィックスで十分なストーリーを、
ここまで盛ったって、
ただの羊頭狗肉でしかないということ。
このワークに相応しいストーリーはなんだろう?
から始めないと無理だろうね。
あるいは、こんなにCGっぽいなら、
CGの役者の方が感度よく芝居するぞ、
と実写はクビになるかもしれない。
実写はそういうことじゃない。
「目撃をつくる」ことなんだよな。
2021年05月01日
この記事へのコメント
コメントを書く