2021年05月07日

意識はどこにいるか

あなたの意識はあなたの脳の中にいるだろうか。
時々外に出かけてるよね。


たとえば他人を意識する時。

好きな人を追いかける時、
あなたの意識はあなたの体内ではなく、
好きな人のすぐ近くまで飛んでいるはずだ。

喧嘩する時、相手の拳の位置を見るだろう。
自分の拳の位置は意識しなくてもわかるだろうし。

デートしてる時は、
自分の気持ちより相手の快不快を優先するだろう。

車を運転している時、
カーブやその先に意識が向くだろう。
住宅街ならバスの死角の向こうにバイクや子供がいるかもと、
意識を向けるに違いない。

自分は他人から見てどう見えているかを考えた時、
「ここに置かれた自分」のように、
意識は広い空間の中にいるはずだ。

「会社の中での自分の役割」を考える時も、
団体と自分に意識を拡大している。


勿論意識は脳の中にしかないのだが、
まるでそこに意識が広がっているように、
人間は振る舞う。

それは、文脈に応じて、
開いたり閉じたりする。


あなたの登場人物は、
今どこに意識があるだろう。
脳内に閉じこもっているだろうか。
それとも他人と自分の間にいるだろうか。
もっと全く別のことに意識が行っているだろうか。

それを変えるにはどうするだろう。
ターニングポイントか。
ちょっとしたセリフか。
ちょっとした仕草での意識誘導か。


机に向かってうんうん考えると、
つい「脳内にしか意識がない」と思いがちだ。

人間はもっと自由に意識を広げたり飛ばしたりしている。

スマホを見てる時はもうその世界にログインしてて、
肉体の中にいないよね。

国を憂う人は国だけに意識を飛ばして憂えてるのかしら。
今晩何食べようかなとか、
自分の過去の黒歴史のことを考えてないはずがない。

いつも同じ意識の仕方しか書けないのなら、
人間の観察がぬるいと思う。


あなたの登場人物は、今どこに意識があるか?
他の登場人物は?
それはどう変わる?
いちいちチェックして変化させてみると、
そのうち自然に移り変わりをコントロールできるようになる。
posted by おおおかとしひこ at 07:40| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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