2021年05月10日

【自キ】軽いスイッチ一覧

僕は軽いスイッチを求めて自作キーボードに進んだ。
なので軽いのは全部試したくらいの勢いだ。
改造なしで入手できる軽いスイッチ一覧。


まず押下圧の表記が、メーカーによってバラバラなことに注意。
標準的なリニアスプリングだと、
アクチュエーションフォースと、
ボトムアウトフォースの、二種類が混在している。

たとえば赤軸は45gはアクチュエーションだけど、
ボトムは65gぐらいらしい。
どっちの数値表記かで、
思ったより軽い/重いの誤解があり得る。

以下の表記では基本アクチュエーションだが、
ボトムの時は注記する。


1. TTC gold pink ボトム37g、スロー
2. Gateron Clear 35g
3. Durock L1 ボトム55g、スロー
4. Gateron Robin ボトム67g、スロー
5. Zeal PC Tealio ボトム62g
買ってはいけない Gateron Silent Clear 35g

番外 Kailh Red Pro 35g(choc v1)


リニアスプリングとスロースプリングでは、
挙動が異なる。

リニアは素直にストンと落ちる。
スローは最初は粘るが、
アクチュエーション近辺で負圧に転じるような感覚があり、
そのまま底まで到達する。
スローはボトム表記がほとんどだが、
そこよりアクチュエーションが体感-20か-15くらい低い気がする。

リニアのボトム表記も同様に、
-20か-15くらい低く感じる。


僕の好みでいうとスローだな。

最初はリニアがいいと思ったが、
35gより下のリニアは底打ちがとても痛くなる。

リアルフォースでも30gが下限なのは、
その下は底打ちのダメージを防ぐ、
別の機構が必要だからだと想像する。

スローだとその嫌さはあまり感じない。
リアルフォースはリニアというより、
スローに挙動が近いと感じるので、
20gくらいのもつくれたりして。

底打ちの反発と痛みを取るには、
クッションを仕込むことだ。
最も簡単なものは、サイレントステムに交換すること。
サイレントステムは、ふつうのステムの上下にゴムクッションがついてて、
それが衝撃を吸収、かつ静音になる仕組み。

おすすめはGazzew Silent Stemというバラ売りパーツで、
これは評判の良いGazzew Boba Gumスイッチの、
サイレントステムだけを単品売りしているもの。
Boba Gumは、
他のサイレントスイッチが、
硬いゴムでコツンコツンいう不快さがあるのに比べて、
比較的柔らかく、粘る感覚を得ることができる。

この秘密は他のサイレントステムより分厚いゴム層にある。
材質も違うかも。とにかく柔らかい底打ちが良い。

で、これをGateron Clearに仕込むと、
上のランキングで1位同率くらいによくなる。

上のランキングは改造なし前提なので、
スイッチを開けて改造したい人は、
参考にされたい。


さらに、
「バネを交換すればいいのでは?」
「バネを切ればいいのでは?」
「ルブをすればいいのでは?」
「底打ちのダメージを軽減するために、
小さなクッションを仕込めばいいのでは?」
「トップハウジングとの衝突音を防ぐには、
ゴム的な何かを貼ればいいのでは?」
などの改造案があり、
これらは過去記事にたくさん書いてるので省略。



ごくふつうのメンブレンは、
大体55g〜65gの押下圧に調整されている。
これは伝統的にピアノが60g前後に調整されていることを、
参考にしたのだと考えられる。

でも強弱が表現の軸になるピアノに比べて、
デジタルで10しかないキーボードなんて、
軽くていいだろと僕は考えている。

初めて45gのHHKBを触った時は感動し、
なんというフェザータッチかと思ったが、
文章量が増えるたびに負担を感じ、
ついには腱鞘炎になった。

より軽い35gのNiZへ転向したが、
それでも小指や親指には重いと感じて、
それより軽くできる自作へ転ぶ。
最初はバネを20gや15gに軽くしていたが、
底打ちのダメージが気になり、
底打ち用クッションを仕込むようになり、
現在「マシュマロスイッチ」というレシピにまとめている。

最近スロースプリングに凝り始め、
負圧を感じる方がリニアより気持ちよく打てることに気づいた。

プログレッシブ、コンプレックスレートバネも試したが、
軽い側の35g未満がないので、
あまり恩恵を感じていない。
(たとえば72Pはアクチュエーション35g、ボトム72g)



で、そもそも論、なぜ軽いスイッチがいいのか?
文字を大量に書くためである。

重ためのスイッチは、
間違えてはいけないものを慎重に書いたり
(例 プログラムのコード)、
考えながら少量のものを書くのには向いてるかもしれないが、
たとえば1万字を一日で書くような作業には向いてない。
一日限定なら頑張れるが、
それが一週間毎日続くなら、指を壊す。


僕は昔から筆圧が低いほうだ。
斜めに持ち、滑らせながらペンをかいてきた。
それは沢山書くからだろう。
キーボードもMacメインだったので、
横に滑らせて打つ撫で打ち派である。
その習慣が一貫しているように思う。

ほんとはスピードスイッチのほうがいい。
Kailh Speed Silver、Gateron Ink Yellowもおすすめ。
しかしちょっと重いからバネ交換ありで。

上にあげた中では、L1がトラベリングディスタンスが少なめの、
ややスピードよりのスイッチだ。


ただマシュマロ化改造をすると、
トラベリングディスタンスが2mm近く少なくなるので、
実質スピードスイッチになるんだよね…
しかも上にあげたものよりも、
直進性の高いスイッチのバネ改造をしたほうが、
トータルでいいスイッチになることがわかってきた。


こんな風に軽いスイッチを求めてきたので、
とりあえずまとめてみた。

同志の方、参考にされたい。
posted by おおおかとしひこ at 16:19| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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