2021年05月19日

【薙刀式】テント角と前腕の軸回転

左右分離キーボードのテント角を変えると、
前腕の軸回転角が変わる。
それは何度が正しいのだろう?


これまではなんとなくのカンで、
これくらいのテント角なんだろうなあ、
とやってきた。

自作キーボード界隈の話を見ると、
テント角は意外とバラバラで、
3度くらいから11度あたりで、
4-7あたりがボリュームゾーンのようだ。

今開発中の3Dキーキャップはわりとテントしているけど、
モノが3Dなので何度と定義できないのがつらいところ。


で、先日気まぐれにテント角を色々調整してみた。
木工の端切れでテント角調整板を作ってあるので、
色々やってみたところ、
端に8mmの高さのものをかまして、
テントを戻した角度が楽なことに気づく。
デジタル角度計では4度戻し、という数値。

これは大変な改造だ。

1度違ったら手の感じる角度は全然違う。
最近の微調整では0.6度以下、0.1度くらいで調整していたというのに、
急にドラスティックな角度がやってきた。


なぜこの角度に気づいたかというと、
前腕のねじれだ。

これまでは、どうやら前腕を軸方向に外に捻りすぎていた、
つまりテントしすぎていた、
ということらしい。

それが肘のねじれになり、肩のねじれになり、
首のねじれに蓄積していったと考えられる。

なにせ、「あ、ここは楽」というのがすぐにわかるくらいには、
僕の肘がねじられて疲れていたからだ。


これまで「あ、この角度だ」と体が気づいたのは二回ある。
一回目はマイクロソフトのエルゴキーボードのアームレストに手を置いたとき。
「あ、この角度は楽だぞ」と身体が反応した。
実際には硬いメンブレンだったので買う気はしなかった。
場所も取るし、喫茶店への持ち運びも無理だし。

二回目はTRONキーボードのパームレストだ。
これも手を置いた瞬間に、「この角度」と、
身体が「わかった」という声を出した。

今思えば、どうにかして寸法を計測しておくべきだった。
同じ形のアームレストを、木工ででも作ったのに。

TRONキーボードは、キーピッチが狭かったのも良かった。
ただし親指が、相変わらず指の側面で叩くような構造になっていたのが気に食わなかったし、
放射状に開く独特の指の置き方に馴染めなかった。
「これこそがベストの手の使い方である」
とはちょっと思えなかったんだよね。
「もっと…こう、あるだろ」と微妙な感触を覚えている。
その物理配列を再現した自作キーボードも、
19ピッチ17ピッチともに遊舎で触りまくったけど、
やはりベストとは思えないなあ。
撫で打ち用ではない気がする。
突き刺し系の打ち方の人は合うかも知れない。


身体が「これ」と声を出すことはなかなかないので、
今回はそれに従うことにして、
またモデリングし直すことになってしまった。
とほほ。また試作費一万円が飛んでゆく…
(もういい3Dプリンタ買えたよなあ…)


テント角は論じられることがあっても、
肘と手首を結んだ直線の、軸方向の回転角
(前腕の内旋、外旋)が語られることはほとんどない。
これが良い角度でないと、
肘や肩や肩甲骨あたりに疲労が蓄積して、凝りになるよ。

ただ両手のハノ字の角度を変えるとまた前腕の回転角が変わるため、
これだけを取り出して論じることも難しいのだろう。

人によって骨格や筋肉のつき方も違うだろうから、
なかなか議論することが難しいかもだ。


また、ある角度に固定され続けた疲労箇所が楽になるから、
「楽だぞ」と相対的に感じていて、
それに変えてもまた別のところが疲れる可能性も否定できない。
永遠にイタチごっこなのか、
どこか「この角度(群)なら疲労最小」の解があるのかは、
なんとも言えない。

「一番疲れないキーボードとその打ち方はなにか?」
その答えはまだ先のようだ。


人によって異なるのだ、なのか、
大体共通点がある、なのか、
いくつか典型的なパターンに分かれる、のかは分からない。

とりあえず一番自分が楽できるものを、
全力で作るしかないのだが。

短時間楽なのと、長時間楽なのは一致しない。
椅子を見ていてもわかると思う。
寝返りをどれだけ打てるかが、長時間の楽を決めるしなあ…
posted by おおおかとしひこ at 13:22| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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