2021年05月24日

【薙刀式】連続/逐次シフトによる分類

連続シフトは気持ちいいけど、離しのときに問題がある。
逐次シフトは確実だが、シフトが続くときにめんどくさい。
これは完全なるトレードオフだ。

連続と逐次の視点で、カナ配列を横断的に見てみる。


【連続シフト】
親指2、同時連続シフト: 飛鳥配列、TRONかな配列
親指1、通常連続シフト: 新JIS、薙刀式
小指2、通常連続シフト: JISカナ

【逐次シフト】
親指2、同時シフト: 親指シフト、蜂蜜小梅、その他親指シフト系
中指2+薬指2、同時シフト: 新下駄配列、下駄配列
中指2、前置シフト: 月配列系
子音17、前置シフト: ローマ字


シフト機構は、親指をシフトに使うのか、
それとも中指(または薬指)をシフトに使うのか、
で大きく分かれる。

また、タイミングにより、
前置、通常、同時とある。

さらに、上の表のように、
連続シフトなのか、
逐次シフトなのかでも大きく分けることが可能だ。

これらの要素にはトレードオフがたくさんあり、
それぞれの考え方により実装が決まる。


親指をシフトに使う派閥は、
普段は遊んでいる親指を使うべきだと考えるが、
欠点としてはキーボードを選ぶことである。

中指派閥は、
親指はキーボードの影響を受けないから、
いかようにでも親指を別に使えと考える。
(極論、親指のない30%キーボードで実装できる)
ただやはり中指(薬指)の使用頻度は上がる傾向にある。

前置シフトは、
実装がIMEで可能で、ロールオーバーで高速入力できるメリットがあるが、
2打は同時シフトから比べるとめんどくさい。

通常シフトは、
同時押しに比べるとミスのタイミングがわかりやすく、
その代わり先押しがめんどうだ。

同時シフトは、
快適で使いやすいが、
高速入力になってくると調整が難しくなる。
(同時判定のチューニングと、自分の打鍵の粒を揃えるチューニングが必要)


連続シフトは、
直感的で快適で、指が楽できる。
ただし押しっぱなしは指が疲労する説もあるし、
離し入力が間に合わず、単打のつもりがシフトがかかりっぱなしになることが、
稀にある。

逐次シフトにはそのような事故はないし、
変換などでも事故がないが、
その代わりいちいちシフトをかけるのが面倒だ。



あちらを立てればこちらが立たず。

これらが存在する原因は、
「50以上のカナ(ときに130)を、
ブラインドタッチが楽な30キー付近に集める」
ことによるトレードオフである。

50のカナを50の範囲に並べれば、
このようなことが起こらない。
JISカナ、いろは坂、龍、蛇などは、
数字段や小指外まで使い、
シフト機構による齟齬を減らしたものである。

とはいえ、濁音、半濁音、拗音、小書き、外来音などは、
50に含まれないため、
結局前置や後置シフトなどで対応せざるを得ない。


全部でいくつカナがあるかって?
拗音や外来音も1と数えれば、130を超えるのさ。
フルキーボードでもまだ足りてない。
(ちなみに常用漢字は2136字で、カタカナがさらに130あるね。
なんということだ)

うーん、結局、
文字数の多い日本語が悪いんやんか。

26アルファベットで30キーの、
英語のためにキーボードはあるのだ。

それを50から130くらい乗っけようとして、
そこに歪みが原理的に生じているんだね。


僕は、アクション数を減らしたほうが、
「手間が減る」ように感じる。

逐次より連続、
前置より通常、通常より同時のほうが、
手間が減るように思える。

だからローマ字よりカナがよく見える。


薙刀式は、
シフト機構は複数を組み合わせていて、
親指1で通常連続シフト、
人差し指4で相互シフト(実用上は同時)で濁音半濁音、
第一カナ+8母音の相互シフト(実用上は同時)で拗音、
拗音方式+濁音半濁音の3キー相互シフト(実用上は同時)で、
濁音半濁音の拗音、外来音、
小指1の相互シフトで小書き、
という、
連続、または同時、
を積極的に組み合わせている配列だ。

3キー同時は唯一?なため、実装が困難でご迷惑をおかけしております。
また3キー同時は、楽な組み合わせしかほぼないので、
使えるものはバンバン使っていけるようになっている。
実装の困難さよりも、
使い勝手の便利性が上回ると僕は思う。

あとは親指が同時連続になれば完璧なのでは、
と思うこともあるが、
変換において親指キーを使い回しているので、
この方が楽で合理的なことについては、
先に議論した。

(qmk薙刀式では、同時連続シフト版も選択できる)


もちろん、
様々な考えがあり、様々な用途があり、
様々な生理があると思う。

連続シフトの離しが手間だという人は、
逐次シフトが向いてると思う。
同時打鍵はテンポを揃えなければならないので、
もっと速く打ちたい人は、前置が最高速だろう。

たとえばスペースキーを前置シフトに使い、
変換や空白は変換キーに使う配列だって、
つくることが出来ると思う(センター前置シフト)。
これまではIMEの制限でできなかったけど、
自作キーボードでそういう配列をつくるチャンスが出てきた。
(和音漢直はその極み)


日本語は世界に類を見ない複雑な言葉だ。
だから思考の種類も、入力方式も、
複雑であっていいのではないかと思う。

参考にされたい。




外人が英語を打つための道具で日本語を使うから問題だ、
というもっと俯瞰した見方だってある。

日本人が日本語を軽快に打つために純粋に開発して、
今のところ最も使われているのはフリックだ。

これで長文さえ書ければなあ。
昨日みたいに3万字は、さすがにフリックでは無理…
posted by おおおかとしひこ at 10:31| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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