もう一個キツイ言葉。
なれられない
M/./MK
右手下段アルペジオ5連打。
まあそんなに使う言葉じゃない。
そもそも「慣れる」というラ行の言葉に、
「られる」がつくことが稀だ。
とはいえ、
じゃあ「慣れることができない」
「慣れるには時間がかかる」
などに言い換えるかなあ、と思うと、
パッと書きたい言葉は、
「慣れられない」だろうなと思う。
先の「拒否し始めている」もそうだけど、
「頭の中では高々2ワードの連結が、
指ではそうではない」ときに、
この現象が起こるように思う。
(頭の中)
慣れ+られないを一気に繋げたい
(指)
M/→→→./MK
(頭の中)
拒否+し始めるを一気に繋げたい
(指)
W→→→X→R→→→CR→→R
と、指で時間がかかるところが、
頭の中では二語をくっつけた一語であるのに対して、
齟齬が生まれるのだと考えられる。
これがシフトを用いた「多少遅くてもしょうがない運指」
ならばまあそんなもんだろ、と思うのだが、
偶然高速な単打が多かったため、
「最速単打が出来ない」ことに気づいたような気がする。
「慣れられない」ではどうしても手首のローリングが僕は必要だ。
しかも外回転、内回転、外回転と三回やらなくてはいけなくて、
それが指の高速なものとの齟齬が起こるのだろう。
これは、日本語の膠着語性とかなり関係が深い。
日本語は、複数の要素を結合して、
「見かけ上ひとつの言葉」をつくるのに長けた言語だ。
(英語でも専門用語では、
めちゃくちゃ長い複合語の一語がある。
たとえば医療用語や化学物質。
しかし日常語では滅多にないだろう。
R.I.P. Rest in peaceのように大文字3文字に縮めたり、
略語にするだろうし)
ちょっと難しいこと言おうと思うと、
とりあえず複合語にしてしまう傾向が、
日本語にはあるように思う。
それは複合語にすることが楽だから、
ということと関係してそうな気がする。
「拒否し始める」なんて言葉も、
「慣れられる」なんて言葉も、
書き言葉の日本語からすればおかしな言葉で、
適切な言い換えをしなければならないクラスの言葉だが、
口語では別に変ではない。
この複合語のニュアンスの方が伝わるとすら思われる。
薙刀式が膠着語性を重視して、
それを打ちやすいように作ったが故に、
「それが完璧でない部分」があることに、
最近気づき始めているということである。
まあそりゃそうだ。完璧な配列などない。
飛鳥は、
その優先順位を死ぬほど手で組み合わせ検証して完成させ、
新下駄は、
確率的な問題として一刀両断している。
確率的には「拒否し始める」も「慣れられない」も、
100万字統計しても一回も出てこないくらいの単語だろう。
ただ微視的に見ると、
二連接ではよく出てくる言葉同士の連接、
というのが厄介なところなんだよね。
部分の二連接では高速に打てるのに、
それが組み合わさると打ちづらいという、
レアケースではある。
長々と論じてきて、
「まあ完璧な配列はないのだ」ということにしか結論がいかないので、
ぐぬぬと思う。
僕の理想は、
頭の中ではひとつの流れの言葉は、
一連の指の流れで打てるようにしたい、
ということだと思われる。
多くの言葉ではいけるが、
何年も使ってれば例外にも遭遇する、
ということだろうか。
2021年05月29日
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