2021年05月29日

【薙刀式】々

PCだと「のま」「くりかえし」「などなど(一文字消す)」
などで出るこの記号。
(ちなみにiPhoneではどれも出ず、「等々力」を出して二文字消した。
色々やってみたら、「おなじ」で出る模様。おなじとはちょっと違うニュアンスやろ)


そもそも書く手間を省く記号のはずなのに、
出すのに苦労するというこの矛盾は、
僕は変だと思う。



すゝめ、あゝ、などの表記に使われるゝや、
「ゞ」「ヽ」「〃」などがネットから拾えた。
これらを「踊り字」というのだそうだ。

また縦書き限定であるが、
二文字以上を「く」の長いやつ、その濁点を「ぐ」の長いやつで示す、
は「くの字点」というそうな。
さら「く」で「さらさら」、
とき「ぐ」で「ときどき」、
と表記するやつだね。
横書きだと「へ」の長いやつを使うのかな。
おそらく縦書き限定の表記法。


日本語には畳語が多いし、
そのときに連濁することが多いため、
このような表記が発達したのだろう。

しかしタイピングでは、
この表記法は用いられていない。
ていうか、おそらく近代印刷の発達とともに、
忘れられた記号のようだ。


人間の脳は「以下同文」の構造を持っている気がする。

全部の情報量を把握するのではなく、
同じ構造を見出せば、
それからあとは以下同文として、
情報量を圧縮するようにだ。

(デジタル画像や複雑化するゲーム映像の問題点は、
この以下同文による情報圧縮をせず、
なんでもかんでも細かく表現してしまうことだと考えるが、
ここでは深入りしない)

実際にタイピングにこの記号を導入するならば、
それ専用のキーを設けて、
前数文字のバッファを持つなどの、
特別なやり方が必要になるかもしれない。
その実装は面倒なことは想像に硬くない。
qmkとかAutoHotKeyみたいな、プログラミングするタイプじゃないと出来ないだろうね。


つまり現行のタイピングは、
現実の日本語に対して、
融通の効かない手段じゃないかと僕は考えている。


手書き資料ならば「〃」で済むものも、
デジタル資料ならばコピペしなければならない。
打つ方の手間はたいして変わらないが、
それがコピペかどうか判断しなければならない、
読み手の負荷は高く、
かえって文の難易度を上げているとすら僕は思う。

適切な書き手ならば、(同)などを使って可読性をあげてくれるが、
阿呆な書き手は自分が楽するためだけにコピペを使い、
読み手を混乱させることがとてもよくある。

それは、〃などをタイプする手間がかかるからである。


人は易きに流れる。
もし〃が変換キーあたりにあれば、
あるいはFJあたりにあれば、
みんなそれを使うに違いない。
たったそれだけのことだと思う。

僕が現行のタイピングシステムに大反対なのは、
「概念の手間と書く手間の不一致」にある。

「簡単な概念は簡単な手間で書けるべきで、
難しい概念は難しい手間で書く」は、
自然言語の発達の上で当然の原則だが、
デジタル入力においては、
その原則が崩れているところがたくさんある。


薙刀式は少しでもそれを元に戻そうとした配列だ。
よく使う本質的な言葉は、
簡単に表現できるべきだと考えている。


でも「々」とかは忘れてたなあ、
と今思い出した感じだ。
まあでも「のま」なら連続シフトJFだから、
nomaほど大変じゃないから良しとするか。

こうした、
日本語に詳しくない人たちがつくった、
現在の日本語のデジタルシステムは、
僕は大変不快だ。
だからなんとかしないといけないのだ、
と日々考えているかんじ。

あ、「ひび」のほうが「とどろき」よりも打数が少ないな。
出ない時のリカバリとして覚えとこ。
こんな風なTIPSのパッチを当てなきゃいけない時点で(以下ループ
posted by おおおかとしひこ at 11:49| Comment(0) | カタナ式 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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