見ている時間で、異なると思う。
最初はシチュエーション、
次に展開、
次に人間、
次に結果、
最後は人間かな。
物語の冒頭は、
まだ世界観や人間がどういうものか分らない。
だから一発でヒキがあるものを選ぶべきだ。
それが、最初のシチュエーションである。
どういう異常な事件が起きたのか、である。
どうもいつもと違う、
おかしなことが起こっているぞ、
一体これはどういうことだろう、
などというようなことが大事だ。
なぜなら、よくあるシチュエーションなら、
大体その後の解決法や展開が、読めてしまうからである。
「どうやってこれは解決するのだろう」
「この先どうするつもりだろう」
などとヒキがあれば完璧だ。
たったワンシチュエーションでそれを作り上げられれば、
つかみはOKだと思う。
次に気になるものは、展開だろう。
「問題はわかった、しかしこれをどうやって解決するつもりか」というものである。
観客はバカではないから、
もしこの問題が現実に起きたら、
自分はどう対処するだろうか、
などと現実に置き換えてみている。
あるいは、
自分の体験の中から、似たようなものを探して
それで似たように解決できないか、
などと思うものである。
その想定しているリアリティより劣れば、
どんなにシチュエーションでヒキがあっても、
のめりこむ力を失うだろう。
次に惹かれるのは、人間だと思う。
展開が始まり、
しばらくすると、
それを解決する人間たちの魅力が、
少しづつわかってくるはずである。
冒頭ではどういうシチュエーションに置かれた、
どういう設定の人たちなのか、
などといった「理解」のレベルであったものが、
色々な場面での決断を見たり、行動を見たり、
あるいはどうしてもそれをしなければならない事情を知ったり、
あるいは過去を知ったりすることで、
次第にその人物(たち)に、
魅力を感じなければならないと僕は思う。
そうでなければ、
事件の解決は、単なるパズルになってしまうからだ。
観客はパズルを解くところが見たいのではない。
人間の魅力について見たいのである。
それは、見かけとかしぐさとかではない。
それは二秒で伝わるから、
そんなものは俳優に任せておけば良い。
そうではなくて、
「そのシチュエーションに置かれたときに、
その人物はこんな風に思うことが魅力がある」
のようになっているべきで、
それがシナリオが提出する人物の魅力だ。
こんなに逆境なのに、こんなことを言えるのか、
こんなことを行動できるのか、
という魅力であるべきだと思う。
逆に言うと、逆境でないときの魅力は、
シナリオ以外でも表現できてしまい、
シナリオ特有の人間の魅力の描き方は、
逆境における言動、だと思われる。
で、シチュエーション、展開、人間、
に魅力を感じながら見てきたものが、
クライマックスを経て結果が出る。
そのときに、
ああ、この話はこういうことを言おうとしていたのだな、とか、
人生ってこういうものだよなあとか、
世界はこう出来ているよなあとか、
結果を味わい、それに魅力を感じるべきだと思う。
そうでなければ、物語としての魅力が半減する。
「ラストはどうなったのか」
ということはどんなストーリーでも気になるものだ。
それが魅力がない適当なラストだったときの落胆よ。
ラストが大事だと思う。
それはテーマとも関係していて、
「これをいうためにこんな展開や前振りだったのか」
という感心がないと、
ラストは魅力にならないと思う。
で、
終わったあとに、
残るのは、人間の魅力だと思う。
具体的なことは大体忘れていて、
そのキャラクター(もしくは演じた俳優)
への好感として、記憶されると思う。
話が進むにつれて、
ヒキや魅力というものは、段階的に変わってくると思う。
シチュエーションのヒキ、
展開のヒキ、
人間のヒキ、
結果のヒキを、
うまく使いこなして、
最後は人間の魅力だけが残るのが、
ベストではないかと思う。
2021年06月09日
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