カナ配列を覚える時、小学生に戻ったつもりで、
50音順に覚えようとする人もいるだろう。
これは絶対やめた方がいいという話。
昔は非推奨、くらいに考えてたけど、害悪、禁止、
くらいに強く言った方がいいなと思い直した。
その理由はとても簡単で、
「私たちが母国語で考える時、
n行のm番目の音、p行のq番目の音…
というようには考えない」からである。
「その理由はとても簡単で、」を書くときに、
s行o段、n行o段…のようには考えない。
「その」「理由は」「とても」「簡単」「で、」
などのように考える。
「」の切れ目は人によるだろうし、
思考の具合にもよるだろうから、
固定したものではないが、
まあ大体は単語単位から複数語くらいが一連だろう。
だから、
最初からそのような打ち方で覚えるべきなのだ。
とはいえ、いきなり書きたいことを書くためにカナを配列表から探していては、
無限に時間がかかる。そのやり方も推奨しない。
以下がやりやすいと僕は思う。
合理的なカナ配列ほど、
よく使う言い回しが打ちやすい指の流れになっている。
どんな言葉でも同じ程度に打ちやすいか、
というと現実的にはそうじゃない。
指は均等ではないし、
中段が上下段より打ちやすいからね。
だから、その配列で打ちやすい言葉、
というのは有限個に限られると思う。
それらがその配列のコアだと思う。
ただしその配列に慣れれば慣れるほど、
打ちやすい言葉は増えていく。
ある言葉の中に多少打ちにくい部分があっても、
慣れでカバーできるからだ。
言葉というのは、
50音順に並べられているわけではない。
辞書がそう並べられてあるのは、
あくまで検索性のための方便だ。
カナ配列を50音順にマスターしようというのは、
日本語をマスターするのに辞書順で言葉を覚えるような愚だと、
僕は考える。
じゃあどうすればいいかというと、
使いやすいキーから覚えるのだ。
FJ、DK、SL、A;と、
中段から覚えるのが普通だろう。
(薙刀式はそれよりも先にアルペジオから覚えさせるけど)
そこで組み合わせてできる言葉が、
その配列が最初に得意とする言葉、
ないし言葉のパーツである。
あとは、操作性に応じてマスターしていけば良い。
複雑な操作を要求されるもの、
使いづらい指や位置や指づかいを要求されるものほど、
マイナーなものが来るようになっているはずだ。
本来ならば、各配列の作者が、
マスターするための階梯を用意するべきだろう。
その配列は何を大事だと思い、
何をそのトレードオフで捨てたのか、
そこを解説することで、
納得してもらうべきだと思う。
そこまできちんと段階を踏んで、
練習法をマニュアル化して用意してある配列は、
今のところ薙刀式だけっぽい?
親指シフトにも練習ソフトがあったが、
文字の位置を覚え込ませることが中心で、
「よく使う言葉をつくる」練習は、
そこまで重視されてなかったような気がする。
飛鳥配列あたりがそのへんの練習法を確立したように思うのだが、
マイナー部分まであったかなあ。ちょっと覚えていない。
(なにせ配列作者は、
配列の調整がメインの仕事なので、
配列が変わるたびに練習メニューを作り直すのは、
大変面倒なのだ。
完成してから作るべきだろうけど、
毎回「これで完成」って思っては直すしね…)
yfukuさんの薙刀式練習、薙活がおもしろい。
> ちょっとずつプチコンボが溜まってきて、ミニコンボが決まると気持ち良い。
という感想はまさに上で議論したことの、
細切れのパーツの練習をしているわけで、
これらがもっともっと繋がるのが、
日本語を書くことになると僕は思う。
50音順に練習する意味はまったくない。
知らない言語ならアルファベットから入るけど、
アルファベットを全部マスターする前に、
「あなた」「わたし」「あいしてる」くらいは覚えたほうがよくないかな。
すぐに使えるようになることが、
言語の目的だと僕は思うのだ。
子供だってある程度の言葉を覚えた時点で、
50音を全て知ってるとは限らない。
小学校か幼稚園あたりで、
50音を覚えさせられたから、
ついそのやり方を踏襲するのだろう。
母国語の基本は、就学前に出来ていると思う。
その学び方が、ほんとうの言葉の学び方だと僕は思う。
50音順は、漏れ、抜けのチェックのために、
就学時にチェックするためにあると思う。
だから、50音順の練習が効果があるのは、
練習の中盤や後半だ。
漏れ、抜けのチェックに使うのだ。
苦手なカナを洗い出して、
重点的にそれを使う言葉を打って、
手に馴染ませる練習をすることで、
「使う道具」をすべてチェックする。
あとはそれらを繋げていくのみだ。
2021年06月08日
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