2021年06月25日

同じテーマでもモチーフを変えて表現できる

ぴったりのテーマとモチーフの関係が理想だけど、
それに固執しなくても、
面白い話はかけると思う。


たとえば前に書いた話で、
「魂を奪われたとき、人はどう生きるべきか」
というものがあった。

これはテーマ自体ではなく、主な逆境だ。
具体的には廃刀令を受けた武士の話だった。

別に武士でなくても、
失明したカメラマンとか、
交通事故で半身不随になったアスリートとか、
息子を失った親とか、
色々な「魂」があり得ると思う。

そうしたら、あとは、
主人公と魂の例と、
その逆境をどう乗り越えるか、
というストーリーを色々パターンをつくれると思う。


つまり、
モチーフは一個にこだわることはない。

刀だろうが、目だろうが、肉体だろうが、息子だろうが、
なんでもいいわけだ。
その人の事情と、
どういう乗り越え方をするかが、
主なメインのドラマになるべきで、
時代劇だろうが、撮影業界の話だろうが、
仮に未来のSFだろうが、
本質は変わらないわけだ。

このように、
具体的なものでなく、
抽象的な書き方で、テーマやシチュエーションを書くと、
まったく別の組み合わせを考えつくことが出来る。

「刀を失った武士の話」
に拘るのではなく、
「魂を失った男(女かも、ロボットしれない)の話」
にまで抽象化できれば、
まったく別の組み合わせを考えることが出来る。


自分の書こうと思っている話を、
一度抽象化してしまうことを勧める。

そうすると、全く別の世界、人物が生まれることがある。
もしそれがうまく逆境を乗り越えられたら、
同じストーリーだがまったく別の世界の話として、
生まれ変わり得るということだ。

「それは同じ話だ」と言われても、
息子を失った母親と、
廃刀令を受けた武士の話が同じとはなかなか気づかないかもしれない。
しかしテーマをいったん抽象化することで、
同じ話の別バージョンになるわけだ。


もしうまくいかなかったら、
そのように具体をずらしてみよう。

そのストーリーは急に機能するかもしれない。
posted by おおおかとしひこ at 00:27| Comment(0) | 脚本論 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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